アンダーワールド | フィラデルフィア ICM 便り

フィラデルフィア ICM 便り

ソーシャルワーカーの見たアメリカ底辺事情

写真の界隈はELの高架下のKensington Avenue。


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ドラッグと売春が今でもはびこってるアンダーワールドです。

日曜の午後のこんな時間は店も閉まって人通りもあまりありませんが、土曜やウィークディは大阪のアンダーワールド界隈の上をいくゴタゴタとした怪しげな店や半分廃屋になったようなビルと人とで危ない賑わいです。


近年はヒスパニック系のお店も多くて、大音響でラテン系の音楽を鳴らし続けてる店もあるの。ドラッグディラーが通りのそこかしこにさり気なく立ってる地域。警察の見回りや立ち入り、アンダーカバーコップも出入りする映画に出るような界隈です。


最近は警察も立ち入りにもうちょっと力を入れてるので、昨年までのように「ザナックス、クロノピン」なんて言いながら、駅周辺などで客引きしてるディーラーは見かけなくなりましたが。道にたむろしてるお兄さんやお姉さん方は密かにちゃんと通りがけの人物をチェックして、ケータイなんかでお互いに情報交換してるんですよ。「アレはオマワリや」とか何とか。ダウンタウンとは全く違うフィラのもうひとつの顔です。


Frankford Avenueです。


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Kensington Avenueのすぐ近くを走る大通りです。この通りも例えば、この写真は確か3500ブロック(3500丁目)辺りですが、このようにダウンタウンから離れた北の方(北に上がるほど、数字が大きくなる)になるともう異様な雰囲気に支配されてる通りです。


更地や廃屋も多く、並んでるアパートも人が住んでいるとはは思えないような状態のビルも多いのです。でも、人が住んでるのよ。昼間と言うのに異様に人気がなく、ウロウロしている人々も暇をもてあましてただ、ウロついているのがありありしているような状態です。西部劇のゴーストタウンをちょっと思わせる異様さ。


上記のFrankford AvenueとこのKensington Avenueの辺り、リカバリーハウスと呼ばれる、中毒者更正のグループホームがわんさと存在してます。

何たって、この辺りは家賃がとんでもなく安いからね。ただ同然の状態の悪い家屋やビルをリカバリーハウスにしてるオーナーも相当に多いの。


リカバリーなんて名ばかりで、実質はただの部屋の賃貸しと何らかわらないのがほとんど。月額$500くらいが相場で、オーナーが住人の州からの福祉金の受給に使われるキャッシュカードを強制的に本人から取って、預け持っているケースもあります。わたしはそんなことでオーナーに文句をつけたこともあります。うちのクライアントのカードを当人の退去後にも返さずにその人の福祉金を着手したんですわ。ひどいでしょ。


そのリカバリーハウス内でドラッグの行き来が成されてる場合もよくある話。

懸命にリカバリーのサポートにつくしてるリカバリーハウスもあるにはありますが、多勢は弱肉強食のダークなビジネスです。


各自、ホームにつけてる名前もハンパなくオモロイよ。「ラストストップリカバリー」とか「リカバリー・キング」とか「イエス、ウィ・ケア・リカバリー(そうでっせ、ウチらが更正の面倒みまっせ・・・てな意味ですねぇ)」とかね。


Frankford AvenueもKensington Avenueも通るたびに感じるのは、そこに生活している人たちに共通しているある雰囲気。

この近辺の住人のあきらめてる、怒ってる、疑ってる、狙ってるなどのささくれだった一種独特の共通した匂いなのです。ダウンタウンは海のはるか向こうの世界みたい。


いつもこんな世界を通り過ぎた後にダウンタウンに戻ってくると、どちらがホンモノの人間ドラマの世界なのか考えてしまう時があります。