最初は信じられなかった(いや、覚悟はしてましたが)

やっと、なんとなく落ち着いたので、山田辰夫さんのことを書いておこうかなと・・・


それにしても、あまりの世間の反響に驚いてますよ。

ネットではニュース流れてるわ、TVのワイドショーは取り上げるわ、

こんなんなら、生前もっと・・・(ってそれじゃ脇役にならないか)


よく考えれば、辰夫さんのファンは声高に騒ぐタイプとは違うから、

こんなことでもない限りは表にはでてこないわな。


それと、やはりあのモンスター映画『おくりびと』の影響じゃないでしょーか。

生前、めったなことでは(つーか一度もなかったかな)自分の出た作品のことを

私に言ったりしない、たっつあんが、突然「あれ、いい映画だよ」(もちろんまだ全然反響が

出てないころね)って、しかもその後ロングランになってきたころ「ありゃ、アカデミーとっちゃうんじゃない?」

って、オイオイ大当たりじゃあないですか。


そんなこんなで当然映画館へゴーですよ。。。

いや~やっぱいいや。

たっつあん最高

でもね、


ちょっと、


もうちょっと、


そう、いくら大事な場面でも、辰夫ファンはもう少しスクリーンで見ていたい

とか、思っちゃうわけですよ。


もちろん、代表作として上がってくる「狂い咲きサンダーロード」のジンもいいけど、

今の私には少し若すぎる。


眉山もいいけど、やや女性向きか(これは辰夫さんも言ってました)


ん?

なんか忘れてませんか~

マブイですよマ・ブ・イ

2002年(ころだっけ?)

出馬康成監督の「マブイの旅」


いくつになっても音楽三昧(SoulとかJazzとか・・・まあ、いいかげんですけどね)で、少々仕事のこと(そっちが後かい!)-mabui

本当に久々の主演作品。

あまり今回もメディアをはじめ個人のブログでも取り上げられていないけど、

メチャクチャ良いですよ。

沖縄っていうと、なんとなく流行り物っぽく響くけど、中味はまったく違う。

全然明るくないし、そういう意味ではまったく観光映画じゃない(たっつあんが主演だからあたりまえか)

アル中でリストラされ妻子に逃げられ、完全に自暴自棄になった男(福間)が

沖縄に流れて行き、そこで出合った娼婦とともに事件に巻き込まれ、最後はちょっとだけ、

ほんのちょっとだけ、前に向かう(このちょっとだけが肝)

よくある、ポジティブ全開(皆を元気にするみたいな)型じゃないし、と言って、

見ている者に問題意識をもたせるような、おしつけ社会派型でもない(そーいうのが悪いってわけではありません。私にその手の映画を理解する脳みそがないってことでカンベンを。。。)


辰夫流(って勝手にそうよんでる)炸裂の役で(例えば、チンピラなのに哀愁があったり、意地が悪いのに、ちょっとだけ人情があったり、みたいな微妙な役)こりゃあ、たっつあんじゃなきゃダメだみたいな。


福間のセリフで「オレはなんにもやってない!」っていうのがあるのだけれど、

まさしく、なんにもやってない!

これってすごくない?

主人公がなんにもやってない映画・・・・これがいいんだわ。

そして後半やや福間が前に向かおうとする転換場面での辰夫さん(サングラスに赤のアロハ)

めちゃかっこいい!!(もう!2個つけちゃう)

歌舞伎役者がここ一番で見得を切るときみたいなカッコよさっていえばなんとなくおわかりいただけるかと(表現が貧困ですいません)

例によって、ぶん殴られて血まみれになってゲロ吐いての、たっつあんファンにはお馴染みのシーンもいっぱいあるし、まだネット上には在庫あるみたいなので、まだの方は是非ごらんください。

あなたの人生が変わる!

ほどの効果はありませんが、確実に顔の角度が2度くらいは上がりますよ(妙な宣伝だなあ~)

おっとHPもまだありました。

http://www.film-izmax.com/mabui/


それにしても辰夫さんのサインが貴重になってしまうとは、

なんとも悲しいのですが・・・


そーいえば、この映画の話をした時、辰夫さんいわく「福間に人殺しをさせるわけにはいかない」って、

う~ん

ここらへんが、辰夫流なんだなあ~


長の闘病お疲れ様でした

やすらかにお眠りください

私(達)は忘れませんよ

またいつでも、猫背でタバコくわえながら、めんどくさそうに扉を開けて入ってきてください。

「ねェ~」

「さっぱりしてよ」って・・・・・