30過ぎての異国ぐらしはラクではない。
それもよりによって東南アジアの途上国フィリピン。
その上、英語教師が英語を学ぶために留学。
肉体的にも精神衛生上も最悪である。
しかも6人の教師はスーパーティーチャーズ。
嫌がらせか。

この学校では教師だろうが30過ぎだろうが、
留学生はすべて寮生活である。
そして学生の大半は韓国人。
韓国の男どもは日本の女に幻想を抱いているようで。
私に飲みに行かないかと誘ってきた。
よかろう。
幻想を打ち砕いてやる。
色目タラタラのコリアンボーイズ数名を引き連れ飲みに。
私は発音は弱いが酒は強い。
ボーイズを次々と玉砕させていく。

そんな中、敵もさる者、やたら強いのが1人いた。
そいつがつぶやきやがった。
「僕らサムスンみたいな一流企業に入りたいんすけど、
 あのレベルに入ろうと思ったらTOEICで900は必要なんすよ。
 俺たちみんな800くらいしかなくて。とほほっすよ。」

はい?
720なんですけど、私。

最後に玉砕されたのは私であった。
最初の半年はフィリピンに留学。
タガログ訛りのフィリピン人の英語に触れることで、
日本訛りの自分の英語の劣等感を癒したい。
なんと後ろ向きの発想なのか。
代々木公園の路上から紅白を目指したももクロとえらい違いだ。
彼女たちは、笑顔と歌声で世界を照らし出せというが、
ぜひ世界を照らす前に私を照らしてほしいものだ。

ここフィリピンにやってきて、
フィリピン人教師のタガリッシュに触れることで、
結衣から受けた私の傷は癒されるはずだった。
フィリピン留学経験者のブログにも多々書かれている。
フィリピン訛りがやや耳につく、と。

が、だ。
この地に神はいないのか。
カトリック教国のフィリピンは仏教徒を受け入れないのか。

私を担当する6人の先生。
6人とも発音スーパー完璧。orz
うち3人はアメリカ在住歴あり。
残る2人は米系企業勤務歴あり。

あとで聞いた話だが、
私の前職を知った学校のスタッフが変に気を回し、
この学校のベストティーチャーを割り当ててくれたらしい。

結衣に受けた傷は6人のベストティーチャーによって広げられつつある。
しかし、多少なりとも英語を知っている読者はこう思うだろう。
フィリピン人の英語って訛ってるだろう。
そんなとこに留学してもフィリピン訛りの英語になるだけ。
それではクイーンズイングリッシュの結衣ちゃんには勝てんでしょ。

えい、うるさい。
まず、結衣「ちゃん」はやめろ。
私にとっては憎っくき結衣なのだ。

確かにその通りだ。
フィリピン人の英語は訛っている。
彼らの英語はタガログ語訛りでタガリッシュと呼ばれている。
これを身に付ければ憎っくき結衣に、
「やーい、お前はタガリッシュしゃべれないだろ~」
と上から目線に立てるだろう。
いやいや、ぜんぜん下からだ。

簡単に言うとお金がないのだ。 ←すっげー簡単。
すべての国民からいじめられている地方公務員だが、
アラサーの女教師の給与なんて知れているのだ。
1年間イギリスなんて無理。
なので半年はフィリピンなのだ。

いや、本音を語ろう。
フィリピン人教師どもがしゃべるタガリッシュに触れることで、
結衣から受けた傷を癒したい。
見下す相手を探しにフィリピンに留学に来た。

そう。
私は性格の悪い女教師。