初雪の詩 | ポケットから一言、フィル君の日記 philip gayle's pocket diary

初雪の詩

NYCの初雪はサンクスギビングの夜だった。ちょっとだけ降ってきて、その後はみぞれになっていた。
一瞬だったような感じ。で、その時は近くの行きつけのダイナーへ、
独りでサンクスギビングディナーっていうか、スープを食べたけどね(笑)、家からその店へ歩いている途中、降り出してきた。店の外で目をつぶって、その初雪と接する感覚を詩にしてみた。まあ、こんな詩はたま~に書くんだよね。暗いかもしれないけど、その時はそういう気持ちだったわけだ:



            初雪


初戯れから
初雪までは
一喜一憂の旅だった
その間に
呑み込んだ言葉は
ほっぺたからぽろぽろ落ちる

心をたちまち見破る
初雪のひとひらが
黙殺の夜に溶け込む

闇中に佇む
サボテンのように
翼を張り上げようと
上を向こうと
でも、動けん

雪花が散ってゆくなり
雪がみぞれに

ほっぺたから
失せてゆく初雪は
無意義へのうろたえ

僕はサボテン

辺りをものともせず
ずっとここに


待っていた

待っている




  クイーンズ 2005年11月24日 ⓒ2005 philp gayle