ライブ休止宣言したばっかりだけど、これがあるのを忘れてました。
「アルゲリッチ ピアノ協奏曲の夕べ ~グルダを楽しく想い出す会~」
曲目はここを参照。
アルゲリッチは「モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番」を演奏。

実はアルゲリッチを生で聴くのは初めて。
正確には、小さい頃に1度聴いてるはずなんだけど記憶が…;
去年、テレビでアルゲリッチとキーシンのデュオ、そしてアルゲリッチとフレイレのデュオを観てえらく感動したんで、今回は迷わずチケット購入。
しかも、当初はベートーヴェンの「皇帝」を弾くはずだったんだよね~。
「皇帝」は私一番好きなピアノコンチェルトなんでめっちゃ楽しみにしてたのに、直前に曲目変更。
まぁ、アルゲリッチ姐さんならやりかねない…。
チケット売り出し時点で曲目未定なことのほうが当たり前。
ドタキャン女王。
昔、元ダンナの指揮者シャルル・デュトワと来日公演前に夫婦喧嘩し、アルゲリッチだけ演奏しないで帰っちゃったってのは有名な話。
クラシック界のリアム・ギャラガーとでも言っておこうか。
私生活でもすごい。
3人の子供がいるけど、父親は全て別。
まさに自由奔放なアルゼンチン女。

で演奏のほうはというと、8歳でデビュー。
プゾーニ国際コンクール、ジュネーヴ国際コンクール、ショパン国際コンクールで1位という経歴の持ち主。
ソロからデュオ・コンチェルトまでレパートリーも広い。
まさに、天才ピアニスト。

コンサート前半部分のレビューは割愛させてもらいます。あしからず。
最後にアルゲリッチ登場。
もうね、でてくるだけで会場の観客が皆身を乗り出すの。
それくらいのオーラ。
う~ん、アルゲリッチご機嫌斜め?これが普通なのかな…。ちと心配。
指揮者(←若くて金髪で白馬に乗ってそうなイケメン)も明らかに緊張してたし。

で、演奏の話。
正直言って私はモーツァルトはどうも苦手なんだけど、それを忘れるくらい惹きこまれる演奏だった。
強弱、緩急、実に豊か。
ピアノという楽器の表現力を最大限に引き出した演奏。
そして予想以上に繊細。もっと荒削りの演奏を想像していたのに。
以前は情熱的な演奏の一方でミスタッチも多いアルゲリッチといわれてたけど、今回はほとんどなかったし。
そして、弾き方が潔くてかっこいい。
私の尊敬するピアノの先生(←アルゲリッチの大ファン)と似てる。
演奏後もかっこいい。
観客から花束をもらっても握手もろくにせず、軽く匂いを嗅いで、片手に無造作に花束持って颯爽と去っていく。
何かその仕草からカルメンを連想したのは私だけ?
美人ってわけじゃないけど(昔は美人だったという噂も)、「いい女」だった。
演奏前は険しい顔をしてた(本当に怖かった)アルゲリッチが、演奏後は笑顔だったのも印象的。

とにかく、ポリーニを初めて生で聴いた時に味わって以来の感動。
じゃあどっちが好きかと言われると、まるで演奏スタイルが違うから比較できないんだけど。
まぁ強いて言えば、トリルはポリーニのほうが綺麗かなぁ。
表現力という話でいったら、アルゲリッチを挙げる人のほうが多いのは頷ける気がした。

ただ、今回の演奏をモーツァルトファンがどう評価するかは分からない。
アルゲリッチのモーツァルトは明らかにモーツァルトらしくはなかった。
もともとモーツァルトの優等生的な規則正しい曲調が苦手な私には、アルゲリッチの演奏は魅力的に感じたけど、本当のモーツァルトファンに言わせれば「邪道」なのかもしれない。

やっぱり「皇帝」を聴きたかったなぁ。3楽章とか想像するだけで華やかそうだ。
今、チャイコフスキーのピアコン1番のCDを聴いてるけど、これまた華やか。
こういう華やかな曲が似合うんだ、きっと。