2002年9月5日
腎臓に癌発覚。既に最終ステージ。
手術。成功しても1ヶ月もてば奇跡との宣告。
手術は成功。抗癌剤治療の日々。

2002年10月5日
肝臓に転移が発覚。もうなす術なし。
あと2,3日だろうとの宣告。
抗癌剤治療も中止。

私のこれまでの人生で最も辛かった日々。
学校に行ってても常に不安。この間に死んでしまうんじゃないか?って。
日に日に痩せて、弱っていく体。
治る見込みのない病気の介護生活。
ペットを飼ったことの無い友達との間に感じる温度差。
何気ない一言にも過剰に反応。
心に余裕が無い状態ってまさにこの時の私。

2002年11月9日
亮兄の結婚式前日。
ふらふらになって亮兄を玄関まで見送った。歩いたのはあれが最後。

そして2002年11月14日
プレゼン準備で徹夜していた私。
この頃は既に全く動けない状態。
ふと顔を上げるシャキール。必死に何かを訴える目。
その直後、激しい痙攣。
9時14分、シャキール永眠。
9歳だった。

出かけるとき、見送ってくれるシャキールの姿がない。
家に帰っても、迎えてくれるシャキールの姿がない。
食器も水飲みもまだ残ってるのに、服には抜け毛がついてるのに、シャキールの姿がない。
9年間、いつもいつも傍にいたシャキールがいない。
いつも寝てたソファーにも、ピアノの下にも。
私の心には大きな穴があいた。

あれから2年の月日がたった。

最後に私を見たあの目。
病気になっても金色で、やわらかくさらさらで、綺麗なままだったあの毛並み。
心臓が止まってもまるで眠ってるみたいだった姿。
研究室に泊まりがけの日々で、あと5分のところで間に合わなかった尚兄の無念の顔。
火葬場から上がる黒い煙。
炉から流れでた血。
骨となった姿。
普段感情を表にだすことのない尚兄が骨壷を持って肩を震わせて泣いていた後姿。

今でも鮮明に覚えている。
思い出すたびに辛くなる。
どれだけ月日がたっても、フィリーネがいる今でも、シャキールを失った悲しみは変わらない。

でも、
シャキールがいた9年間、ホントに楽しかった。
最後の辛い日々よりも、楽しい思い出のほうが沢山。
シャキールに会えて本当によかったよ。ありがとう。