(もともとはアメ限記事でしたが後に一般公開しました)
夏休み中で、色々な本を読んだり考え事をしたりするもので、ちょっと雑談を書きたくなりました。興味ない方はスルーして下さい。
高校3年の時に、数学の先生が担任でした。
この先生は、大学では確率論を専門にしていたそうです。
大学受験が近づいたある日、こんな話をしてくれました。
「確率なんて、1回限りの未来の予測にはあんまり意味ないんだよ」
ちょっと衝撃でした。
えっ、意味ない?この先生に確率習ったのに(笑)
人生のように1回限りのことで、起こるか起こらないかを考えるとき
確率が高くても低くても、結局どっちの場合もあり得るし、いざ起きてしまえば、確率がどうだったかなんて関係ない。
結局、確率論では1回限りの未来は予測できない。
その時は受験の話だったので…模試で確率20%とか言ってても、その20%に入って受かっちゃえばハッピーだし、確率80%とか言ってても20%の残念な方に入ってしまったら確率が80%だったなんてことは何の慰めにもならないということです。
どういう結論の話だったかはよく覚えていませんが、たぶん受験直前のここまで来たらもう何も考えずに本番頑張れ!って感じの話だったかと思います。ちなみに私は、大学受験ではハッピーな結果を得ることができました。人生の大事な分かれ道において、私は運に助けられていると感じます
さて確率ですが、実は結構深いです。「サイコロで各目が出る確率は1/6ずつ」って言われたらわりとすんなり「そうだろう」って思うと思うでしょう。でも「確率1/6ずつ」ってどういう意味でしょうか。
サイコロを6回振ったら、各目が1回ずつ出る?
やってみたら分かりますが、まずそうはなりません。
じゃあ60回振ったら10回ずつ出る?
6回だけ振るよりはだいぶマシになるでしょうが
それでもたぶんそうはならないでしょう。
じゃあ何回振ったら1/6ずつになるでしょうか。
興味深いですね。そのうち子供の自由研究ネタにしようかな(笑)
試行を十分増やすことで、だんだんと結果が確率に収束してくることを「大数の法則」と言います。ちなみに1900年頃、イギリスの統計学者カール・ピアソンは実際にコインを24000回投げて、大数の法則を確認したとか。
コイントスとかを実際にやってみて、大数の法則を体感するのは意外とためになるのでないかと思います。思っていたよりも、5回連続で表が出るって普通に起こるんだなとか実感できると思います。
投資に置き換えると、確率の高い話でも1回勝負だったら勝てるかは分かりません。1回も負けない方法(←そんなのない)を目指すのではなく、期待値の高い方法を見つけ、その方法で期待値に収束するような回数を繰り返していく、というのが目指すべき姿だと思います。
また、勝てるルールでやっていても(5回連続で表が出るといったような)負けが続く「ドローダウン」の時期は普通にあります。
続けていれば、長い目で見ればまたいずれ確率に収束してくるわけですが、ドローダウンを乗り越えられずにそこで心が折れたり破産してしまったりしていたらそうはなりませんので、時々(というか意外と頻繁に)起こるドローダウンでも吹っ飛ばないよう、余力を残して資金管理(リスク管理)をすることも重要ですね。
ドローダウンとは異なりますが、「まさか」もわりと頻繁に起こりますね。変な話ですが、「10年に一度」のことって3年に一度くらい起きているし、「100年に一度の未曾有の事態」も10年に一回くらい起きていると思います(笑) いつでも「まさか」は起こり得るという前提でいないとですね。
このように、サイコロやコイントスでさえ、実は結構深いのですが、ましてや私たちが生活の中で「確率」と言うとき、それは「真の確率」ではなかったりしますから、なおさら複雑です。
「この手術の成功確率は80%」
「〇〇をするとガンになる確率が20%上がる」
「トランプさんの当選確率は40%くらい」
「このチャート形状で買ってここで売る手法なら勝率は60%」
普段、色々な概念レベルで「確率」という言葉を使いますが、これらは全く同じ前提条件で十分な回数試行できないものが多く、サイコロやコイントスの「確率」とは質が異なることに注意が必要です。
トランプさんが当選しなかったパラレルワールドとか試せませんし、相場も変化していくものなので、過去の「勝てるルール」がいつ機能しなくなるかは実は分かりません。
確率の話から、とりとめなく色々と書き散らしてしまいました。
長くなってしまったので今日はこのへんで。
全然ピンとこない人は、スルーして下さい。こんなこと考えなくても、楽しく生きていくのに全く問題ありませんから(笑)
↓投資の本というより、普通に読み物として面白いです。