私はNHKが好きではない。


 「紅白歌合戦」に興味はないし、受信料徴収の為なら脅迫も辞さない神経が理解できない。

 上層部や職員は不祥事を繰り返すし、「BSマンガ夜話」は一向に放送される気配がない。


 そんなNHKだが、この数年間のドキュメンタリー番組については、もっと褒められてもよいだろう、と私は思っている。その取材力や、問題の本質に迫る勇気ある報道内容は、民放のドキュメンタリーを遥かに凌駕する。私に言わせれば「独走状態」である。


 例えばこの1ヶ月半で、「これは良かった(あるいは、参考になった、勉強になった)」と思った番組を列挙してみる。(思い出せたものを書いてみた。まだ見たのに忘れている番組があるかもしれない)


11月

2日「工場移転 ~企業城下町に異変~」(クローズアップ現代、以下「クロ」と略)

7日「なぜ介護の現場で虐待が」(クロ)

8日「どうする若者の“日本語力”」(クロ)

12日「アメリカ 格差社会の底辺で ~ワーキングプアの現実~」(BS1「地球特派員2006」)

13日「輝いて 悩んで ~均等法第一世代の20年~」(クロ)

14日「愛国心って何ですか ~揺れる教育現場~」(クロ)

20日「あなたは払いますか 新しい税」(クロ)

21日「隠される“労災” ~製造業の現場で何が~」(クロ)

22日「地域の学校が消えていく? ~学校選択制の波紋~」(クロ)

27日「バスが燃える ~検証 相次ぐ高速バス火災~」(クロ)

29日「歪められた外国人研修生制度」(クロ)

30日「急増する働き盛りの“うつ病”」(クロ)


12月

3日「もう医者にかかれない ~行き詰まる国民健康保険~」(NHKスペシャル)

4日「見えない“いじめ” ~子供とどう向きあうか~」(クロ)

6日「保険金不払いはこうして行われた」(クロ)

10日「ワーキングプアⅡ 努力すれば抜け出せますか」(NHKスペシャル)


 中にはいくつか、コメンテーターの意見に賛同できないものもあったが、総じて予約録画するに値する番組が多い。

 夏には、硫黄島で生き残った旧日本軍兵士の証言を取り上げたNHKスペシャルがあったが、平凡な戦争映画よりもよっぽど戦争の本質を実感することができたし、旧満州開拓団からの引き揚げ者の証言を集めた番組では、ソ連侵攻時の悲惨を生々しく伝えていた。


 一般新聞の何が言いたいのか分からない記事を読むくらいなら、NHKのドキュメンタリーの方がよっぽど、現在の社会の問題点を考えることができると思う。


 NHKのドキュメンタリーだけは見よう。そして、もっと褒めよう。