阿漕、と書いて「あこぎ」と読む。ずうずうしいさまであるが、無慈悲に金品をむさぼることでもあるという(大辞林より)。
業界第3位のソフトバンクが先日、「予想外割」なるものを発表した。
0円
と大書した宣伝物を見た人も多いのか、MNP後の量販店は、ソフトバンクの携帯ブースに人気があるようだ。
しかし、というか予想通りというか、やっぱり今回も!0円=安い、というのは嘘だった。
あの悪名高きヤフーBBで、さんざん「0円」だと嘘の宣伝を振りまき、インターネットも知らないお年寄りにまで無料モデムを配り倒した、駅前の「白装束」(後に赤装束)軍団を覚えておられる方も多いだろう。今回もあの宣伝文句を使ったというわけだ。一回騙せればもう一度、とは「オレオレ詐欺」の心理と同じだ。
例えば、ITMediaの「ソフトバンクの新料金プランは、“予想外”に複雑 」をお読みいただきたい。
一体、彼らの広告どおりに「他社よりも安く使えるユーザー」は、どれほどいるのだろうか。こんなプランは料金体系を複雑にしただけではないか。複雑化の実態を告発して正義の味方気取りだった孫社長自身も、結局「一番儲かる」のは複雑怪奇な料金体系だということか。しかも「安くなった」という嘘の見せ掛けまで添えて。ヤフーBBの汚らしさそのままで商売をなされているようだ。
天下の携帯電話業界で、こんな大嘘がまかり通ってもよいものだろうか。客寄せできれば何でもよいのだろうか。これでは「1パック5円」の卵をお年寄りにばら撒いて、後から「この布団は定価40万円のところ、今だけ5万で買えます!」と売りつける商法のように、いったん店舗の中に入れて(契約させて)しまえばこっちのもの、という感覚なのか。
とりあえず嘘でもいいからソフトバンクの携帯と契約させて、高額な新機種や、より高額な新料金プランを出してきて「こちらに代えたほうがお得ですよ」とやりはじめるのだろうか。ドコモの社長の怒り は当然だ。
このことは別に、私がauユーザーだから言っているのではない。私は2年半前、ドコモの殿様商売に嫌気がさして、電話番号を変えてまでauに変えた。auも、加入当初の料金の高さにはうんざりしたが、割引制度を色々組み合わせればかなり安くなった。現在では4000円を下回ることもある。
当時のヴォーダフォン時代は、ドコモよりも良いイメージはを持っていた。料金プランもユニークな印象があった。
ソフトバンクに会社が変わってどうなるのかと注目していたが、ふたを開ければ「予想外割」だ。やっぱり携帯のセンスも「孫」そのものだ。
ユーザーを数字の「0」で釣るなどというセンスは、まさに「ゼロ」だし、うっかり契約してしまったユーザーのお得度も「ゼロ」だ。こんな会社のシェアこそ、「ゼロ」がお似合いだ。ついでに言うと、この「予想外割」を無批判に持ち上げた一部マスコミの眼力も「ゼロ」である。