(「シネマイレージカード」加入一周年記念企画)
『この一年で私がTOHOシネマズで観て高く評価した映画ベスト10』
紹介が遅くなったので、10作を一気に紹介したい。
集計してみると、上位10作中大きく3つのグループが同点となった。
まず第3グループの(10点)の3作を紹介する。つまり「同率8位」である。
・「妖怪大戦争」
神木隆之介の予想外に上手な演技でこの映画は成立している。ストーリーも映画の尺が長い割にはついていける。話の終わらせ方も痛快かつ馬鹿馬鹿しくてよかった。青年男子諸君には、栗山千明と高橋真唯目的で観てもらってもかまわない。この映画で出演シーンが非常に多く、重要な役どころになっている「雨上がり決死隊」の宮迫はレビューでは完全に忘れられている。むしろ出演場面が宮迫より少ないナイナイの岡村のほうが注目された。
・「スターウォーズ・エピソード3」
映画の話がやや長く(尺も長いが)、第1作である「エピソード4」に話を結びつけるための説明場面も多く、推理小説の「解決編」のような映画でもあった。青年男子諸君には(またかよ)、ナタリー・ポートマン目的で観てくれても良い。私はこれを観る前に「エピソード1」と「2」をDVDで観直したが、その3作では正直「1」が一番である。
・「ブレイブ・ストーリー」
ジブリではないアニメーションであるが、松たか子とウエンツ瑛士の声優が予想外に上手だったので、空想の世界に比較的楽に入っていけた作品だった。原作を読んでいないので、小説との比較はできないが、脚本の完成度は『ゲド戦記』よりもよっぽど上である。ゲドはもう一度観る気にならないが、こちらならばテレビで放送していたらチャンネルを合わせるだろう。
次に第2グループ(11点)の3作、同率6位を。
・「NANA」
正直、観る前はほとんど期待していなかったが、中島美嘉の芝居は意外に印象が良かった。宮崎あおいも「パコダテ人」の頃に比べて随分芝居が完成されてきていて、「おバカな」女性がハマリ役だった。私は年甲斐もなく、この二人の女の子はどうなっていくんだろう、と興味がわいた(もちろん、原作漫画は全く知らない)。すでに製作が始まっている続編にスケジュールの都合で宮崎が出演しないのは残念でならない。
・「グッドナイト&グッドラック」
ジョージ・クルーニーはこういう映画を作るのか、と感心した一作。「赤狩り」に立ち向かった一人のテレビキャスターの物語である。マスメディアの「気概」が映画になるということ自体、今すでに失われている証拠かもしれない。タバコの煙で充満している映画という小道具が、今から時代が離れていることを示している。
最後に、第1グループ(13点)の5作、つまり同率1位を観た順で。
・「チャーリーとチョコレート工場」
やっぱりジョニー・デップは凄かった。この人は奇人にも繊細にもいい加減にも勇敢にもなれる希有な俳優だ。こんな現実離れした話を、ファンタジー世界へ感情移入させる力は、彼の芝居なくしては成立しない。ティム・バートンはこういう作品を作らせると本当にうまいと思う。レンタルDVDでも借りてみたくなる名作。
・「ミュンヘン」
政府の命令でテロを実行していく側の精神状態を描く映像は、スピルバーグ映画でこそ実現できたのだろうと思う。このような連続テロが30年ほど前に本当にあったというのが、見終わった後でも「信じがたい」という気持ちになった。「テロとの闘い」を実行するということは何をすることなのか、それを考えるためには必見の映画と言える。
・「Vフォー・ヴェンデッタ」
この映画は興行的には失敗だったかもしれないが、私は個人的に大好きな映画の一つになった。「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟が撮影前に書いていた脚本を映画化したこの映画は、「ミュンヘン」と対照的に、「テロ」は他方から見れば「人民を救う英雄」でもあり得るという現実をテーマにしている空想世界である。「爆破」は快感になることを見せつけた、結構な問題作である。ナタリー・ポートマン好きにはたまらない、コスプレの場面もある。
・「ナイロビの蜂」
「私たちの知らないアフリカ」を直視するために、これ以上ぴったりの映画はないだろう。在ケニア外交官夫人の謎の死から、製薬企業の人体実験疑惑が浮かび上がる。そこに現代のアフリカが抱えている様々な困難が絡み、困難の原因を作っているのは先進国の大企業、そして先進国の人間たち自身であることを思い知らされる。社会派な内容の中に「夫婦愛」を描いた秀作である。
・「パイレーツ・オブ・カリビアン2 デッドマンズ・チェスト」
これは一転して、お気楽な娯楽大作(2時間半!)である。これまたジョニー・デップの怪演にやられてしまう。何度も何度も「ありえない」ドタバタ追跡劇が展開されるが、ラスト近くになって少し「ほろっと」させるあたりが、娯楽大作らしいところでもある。最後の最後に「続編」の展開をほのめかすのも、これまた娯楽大作の王道を行っている。