動詞の後ろに前置詞が続くことはよくありますが,意味が同系統だと,後ろに続く前置詞も似通ったものになることも多いと聞きます。そんなものかなと思いますが,せっかくなら似たものはまとめて覚えたいものです。
そこで,紛らわしい印象のある「 of とセットになる動詞」を調べてみました。
A)“V+A of B”で「AにBを知らせる」シリーズ
ofには「~について」という意味が元々あります。
know of A(Aについて知っている),hear of A(Aについて聞く)が代表的です。
この「~について」のofがセットになるのがこのグループ。"inform A of B"は,しつこく訳せば「BについてAに知らせる」だと思いますが,「AにBを知らせる」と意味を取ることが多いと思います。「を」というひらがながAではなくBに付く点がちょっと珍しいパターンです。
□convince A of B:AにBを信じさせる
→be convinced of B:Bを確信している
□inform A of B:AにBを知らせる
□notify A of B:AにBを知らせる(≒notify B to A)
□persuade A of B:AにBを納得させる
□remind A of B:AにBを思い出させる
□tell A of B:AにBを話す(=tell A about B)
□warn A of B:AにBを警告する
+α)以下の動詞は「知らせる」という意味ではないけれど,ofは「~について」のof。
□accuse A of B:AをBで非難する
□suspect A of B:AをBで疑う
B)“V+A of B”で「AからBを奪う」シリーズ
ofは"off"と語源が同じだと聞いたことがあります。
飛行機が地面から離れることを"take off"と言うように,offは「分離」ですが,ofにも同じく「分離」の意味があるそうです。そこで,“V+A of B”には,「AとBを分離」→「AをBと引き離す」といった意味になるグループがあります。
例えば,"cure A of B"なら,"cure A"だけで「A(病人)を治す」ですが,そこに,「B(病気)を分離して」を表す"of B"が追加されているわけです。これを日本語にすると,「AのBを治す」になります。
また,"rob A of B"なら,"rob A(Aを襲う)"に,"of B(そしてBを分離する=Bを奪っていく)"がくっついて,「AからBを奪う」という日本語訳になります。
□clear A of B:AのBを片付ける(←Aから邪魔なものを奪う)
□cure A of B:AのBを治す(←Aから病気を奪う)
□deprive A of B:AからB(=機会・権利など)を奪う
□empty A of B:AからBを出して空っぽにする
≒empty B out of A
□relieve A of B:AからB(不安や負担など)を取り去る
□rid A of B:AからBを取り除く
→get rid of B:Bを捨てる,廃棄する,取り除く
□rob A of B:AからBを奪う
□strip A of B:AからBを剥ぎ取る
C)“V+A of B”で「AをBに求める」シリーズ
このグループも「分離」のofが使われていますが,Bグループの「AをBと分離させる→奪う」とは異なり,「BからAが分離する→BからAが出てくる」グループです。
例えば,"expect A of B"なら「BからAが出てくることを期待する→AにBを期待する」となりますが,日本語訳からの連想で,ofではなく,ついtoを使ってしまいがちなグループです。
□ask A of B:AをBに求める
+α)ask a question of B:Bに質問を尋ねる(≒ask B a question)
□beg A of B:AをBに懇願する(≒beg A from B)
□demand A of B:AをBに要求する(≒demand A from B)
□expect A of B:AをBに期待する(≒expect A from B)
□require A of B:AをBに要求する(≒require A from B)
他にも大事な動詞があるのかもしれませんが,今気づいているものだけをまとめてみました。