クラッシュ | Finding my own parachute ~シャドーイング・ボキャビルに励みつつ~

クラッシュ

いわずと知れた今年のアカデミー賞作品賞を受賞したもの。
 ノミネートされたから見に行ったのかな?忘れちゃったけど、とにかく見に行った段階では受賞していなかったけれども、日比谷シャンテシネは結構なお客さんで混んでいた。しかも、印象的だったのは見に来てた人に私の親くらいの方もたくさんいたこと。4,50代と思われる夫婦の観客が多くて、テーマもテーマだからかなと思った。
 さて、見て思ったこと。私はブロークバックマウンテンを見ていないし、それと比較してどうこうということに意味があるかどうかも分からないけれども、クラッシュが作品賞を取った理由がブロークバックマウンテンをさけたというだけではなくて、人種差別について正面からとらえていたからだというなら、やはり作品賞をとってしまうほどのものとは思えなかった。
 私が鑑賞後4ヶ月ほどたっても感じるのは、あの作品のラストへと続くシーンで真実味ががくっと失われていたような気がするということだ。あの物語は、わずか数日間の出来事のはずなのに、問題が生じ、極限とも思われるところまで緊迫感が進み、あることをきっかけに、あっというまにすべての問題が友好的な解決を見る、という具合に4こま漫画的に上手いこと出来ている。でも、あんなふうに、すべての人種間の軋轢が次から次へと小気味よいほどに解決してくなんてありえないよね。お互い示し合わせているわけでもないのに。差別の連鎖のようなものは続いていくと暗示的に示しているけれど、簡単に解決できないということを示しているのならあの物語のハッピーエンディングと取れる終わり方は苦い後味を残すと思う。「確かにここに出てきた人たちはあの終り方で良かったかもね。でも、これは現実には無いよね。」という具合に。