『WILL』 本多孝好 | ふぁいのだらだらな日々

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読書とガーデニングと日々のできごと

 
森野は高校卒業直前に両親を事故で失った。
両親が営んでいた葬儀屋を引き継いで11年。
多くの死者を見送ってきたが、自分自身の喪失感とはいまだ折り合いをつけることができずにいる。
 
葬儀が終わった後も、遺された人たちの間で様々な問題が起こる。
死者を安らかに眠らせる、という葬儀屋の使命を果たすため
森野は問題解決に乗り出す。
 
生まれ育った商店街、葬儀屋の従業員、そして幼馴染・神田。
ずっと変わらず自分を見守ってくれている存在を受け入れたとき
森野はどのように両親の死を乗り越えていくのか。
そして微妙な関係の神田とはどうなるのか・・・
 
 
 
『MOMENT』から7年後の設定で、本作は森野目線で描かれている。
前作から森野はとても気になる存在だったからうれしい。
あまり人に興味を示さないタイプかと思っていたけれど、
トラブルに巻き込まれ奔走するさまは、神田に負けず劣らずのお人好しぶりだった。
 
たまに登場する神田が、相変わらずのとぼけた感じながら森野をアシストし
父親の代からの忠実な従業員・竹井が意外なお節介ぶりを発揮する。
 
WILL・・・意思。未来。
「未来っていうのは、いつだって意思と一緒にある」
森野の父親の言葉が、読み終わった後にじわじわくる。