死後、誰にも見られたくないデータをパソコンやスマホから削除する・・・
そんな依頼を請け負う会社“dele. LIFE”
いっさいの感情を挟まずに淡々と依頼を遂行する所長・圭司と
遺された家族たちの心情に揺れ動き、削除をためらう所員・祐太郎は、
毎度意見が対立するが、お互い心の中では葛藤を抱えている。
それは、二人の性格によるものというより、「秘密を闇に葬る」という業務のせいだ。
遺された者たちにとって、それを知ることが果たしてよいことなのかどうか誰にも判断できないのだから・・・
削除すれば「なかったこと」になってしまう事実。
dele. LIFEという社名がなんだか怖い。
しかし一定の距離感がありつつもちゃんとお互いを信頼している圭司と祐太郎の関係性がいい。
この世を去る者が消したかった<記録>と、遺されたものが抱く<記憶>。
どのエピソードも少し悲しくてやさしい。
中でも「ドールズ・ドリーム」が一番好きだな。死に向かう人が未来を見ているから。
もっとこの著者の本を読んでみたいと思った。