『ナナフシ』 幸田真音 | ふぁいのだらだらな日々

ふぁいのだらだらな日々

読書とガーデニングと日々のできごと


幸田真音さんはお初だな~
と、思いながら読み始めたが、
読んでいる途中でいきなり思い出した。
そうだ、『ランウェイ』の作者だわんわん

『ランウェイ』もよかったが
こちらも読みごたえがあっておもしろかった。



職を失い、家族を失い、全財産を失い
誇りすらも失って
 
ただその日その日を生きているだけの状態だった主人公、深尾が
なりゆきで行き倒れの若い娘を助け
自分の家に連れ帰って世話するところからストーリーは展開する。

自分以外の人間が家にいるというだけで
モノクロの世界に温もりと明るさがよみがえってくる喜び。

その幸せを守り続けるために
そのための経済力を確保するために
深尾は再起を決意する。

娘の病や、深尾の再就職先の危機など
次々に襲いかかる過酷な試練さえも
ふたりの絆を深め立ち向かうエネルギーに変わっていく。

まあ、縁もゆかりもない人間に
下心もないのに
惜しげもなく金を費やすというのは
ちょっとあり得ない話だけれど・・・汗


「人は生まれ変わる。何度でも。
夢と、大切な人さえあれば。」

理想論かもしれないけれど
私もそれを信じたい。



こういう前向きな明るい気持ちになれるストーリーが
やっぱり好きだな、私は。