読書好きな人の中でも
一度読んだ本は二度と読まない人と
同じ本を何度も繰り返し読む人がいる。
わたしは完全に後者の方だ。
自宅の本棚に並んでいる本はほぼ全部
5回以上は読んでいると思う。
先日も、何を読もうかな~と
本棚の前で眺めていて
ふと目にとまったのがこれだ。
『オレンジの壺』
若い頃、宮本輝さんの著書が大好きだったので
たくさん持っているのだけれど
この作品を読んだときに
なんだか釈然としない読後感でつまらなく感じてしまい
以後、宮本輝さんの作品自体からも離れてしまった。
だからこの本は1回きりしか読んでないはず。
それから20年近くたっているわけだから
今ならこの作品の良さが分かるかも?
と思って読み始めた。
主人公佐和子は、結婚生活わずか1年で離婚した。
「女としての魅力も、人間としての味わいも、まったく皆無だ」
それが元夫が別れ際に彼女に残した言葉だった。
佐和子はその言葉に、自覚している以上に傷ついたまま
ぼんやりと生きている。
そんな佐和子が、ふとしたきっかけで
祖父の遺品の日記帳の謎を解くべくパリへ飛ぶ。
舞台は、日本→フランス→エジプトへと移っていく。
しかしながら、いくら通訳が必要だとは言え
知り合って間もない男性とふたりで海外へ行くものだろうか?
そういうドラマチックな行動って、パターン的に
すごく魅力的なヒロインのすることではないか?
という疑問は残るものの
まあそこは運命の出会いということで・・・。
読む前の予感は間違っておらず
意外なくらいするすると読めた。
おそらく、第一次世界大戦前後の世界情勢のようなものが
若い私には重かったのかなぁ。
謎は完全にクリアにはならなかったけれど
それも気にならなかったし。
何はともあれ、主人公が前向きな一歩を踏み出せて
よかったよかったというかんじだ。
やっぱり宮本輝作品いいな~。
しばらく宮本輝再読祭りになりそう。