始まり
「…………………よしっ!」
制服のネクタイをきちっとしめ、しっかりとした顔付きで鏡とにらめっこをしているのは
東雲 真である。
「真ーっ!
支度は出来たのー?」
階段の下から母の声がする。
「うん!出来たよ!」
階段から身を乗りだし、お母さんにそう告げると、危ないからやめなさい、と言われたのは言うまでもないだろう。
10分程車で走る。
「ほら、真、起きて?」
ぺしぺしとお母さんが僕の頬を叩いていた。
どうやら眠っていてしまったらしい。
車から降りると、そこには自分の家の何百個、いや、何千個分の学校が広がっていた。
「わあ…おっきぃ…!!」
そう感嘆していると、母がさっさと歩いて行くので僕は小走りで追い掛けた。