歯医者さんに行く
治療の椅子に座って
1人待つ間
トレーに乗っている
いろいろを観察
いつも思うのは
この小さな道具一つ一つに
名前があって
歯医者さんは
全部覚えてるってこと
すごい
殆ど同じような
小さな先っぽ用の
尖ったやつは全部
昔々の歯科治療の
工夫や失敗から
今の形に至っているってこと
すごい
歯医者さんや
歯科衛生士の元気な女性に
私が子供の頃は
治療の時に麻酔なんかしなかった
だから治療は激痛で
子供の私は
女医さんの指を
思いっきり噛んでしまった
ってな話をしたら
信じてもらえなかった
歯医者さんは10歳くらい年上だけど
もともとお家が歯医者さんで
わたしのようなひどい虫歯に
なったことはなかったんだ
と思ったけど
歯科衛生士さんは
若いから
知らなくても仕方ないにしても
昔は本当に
がりがり麻酔なしで
削られたものです
ピョートル大帝が
歯の治療に興味津々で
治療と言うか
抜歯というか
臣下の歯の治療をしたがって
皆逃げていたという話を
読んだような
ピョートル大帝
すごい
それはさておき
今回
治療の椅子のすぐそばの
トレーに乗っていたのは
見たことのない
色とりどりの
番号のついた
小さな尖ったやつだった
色は番号ごとに固有というわけではなく
桁ごとに分かれているような感じ
それでいて
番号が消えてしまっているものもあって
これでは間違えが起きてしまうのでは
と心配になったり
いったい何に
そしてどんなふうに使うのか
治療が始まると
ライトがまぶしいから
目を閉じなくてはならないし
何が行われているかわからない
麻酔もしているから
感覚で何が行われているか
推察することも出来ない
先生なにが行われているんですか
と質問したいけど
口を開けっぱなしにしていて
質問できない
知りたい
すごく知りたい
そんなことを強く願っていたら
治療は終わって
先生何が行われたのですか
と聞けないまま
トレーの上の
色とりどりの小さいやつは
既に片付いていて
がっかりだった
歯医者さんに行くと
こんな感じで
すごく疲れる
知りたい欲求は満たされず
脳の過活性と麻酔のせいで
午後は疲労感と睡魔との
戦いだ