血行促進やリラックス効果など、健康増進の働きで、注目されているコーヒーについて、さまざまな研究データが発表されています。今回は肝がん(肝細胞がん)を抑制するという研究結果をご紹介します。

 少し古いデータになるのですが、2007年8月、肝臓病学の専門ジャーナルに、コーヒーを飲む習慣があると、肝がんのリスクが低下するという研究結果が発表されました。これは、10個の調査研究の結果をまとめて解析したものです。そのうち、南欧州と日本の肝がん患者1551症例を対象とした4個の研究では、コーヒーを飲まない人に比べ、飲む人の肝がんのリスクは46%低下することが示されました。また日本の709症例を対象とした追跡調査の研究では、36%低下したという結果になりました。これらの研究を総合的に判断すると、平均して、リスクは41%低下するといえます。

 コーヒーの摂取量で見ると、摂取量の少ない群では30%の低下であるのに対して、摂取量の多い群では55%低下という結果となっています。また、コーヒーを1日あたり1杯多く飲むほど、リスクは最大で25%低下することも示されました。しかし、がんの発生要因はさまざまです。「1日にコーヒーを4杯飲めば、肝がんのリスクがゼロになる」という訳ではありません。

 コーヒーの有効成分としてポリフェノール類が知られており、肝がんなどの病気を予防すると考えられています。

特に、注目されているのは、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種、クロロゲン酸です。しかし、コーヒーは焙煎や抽出の過程を経るため、クロロゲン酸の摂取量は多いとはいえません。そのため、いくつかのポリフェノール類の相乗効果によって病気の予防作用を示すと思われます。なお、今回の研究は肝がんの予防についてです。これまでに、肝がん以外でも報告があり、例えばコーヒーを飲む人では肝硬変が少ないという結果も示されています。今後、どのようなメカニズムでコーヒーが肝臓病を抑制するのか研究が進められていくでしょう。

 なおコーヒーには微量のカフェインが含まれるため、カフェインが苦手な方は午前中に飲むことをおすすめします。また、豆が古かったり、淹れてから時間が経過したものはコーヒーが酸化してしまうため、効果が出にくいとも考えられます。コーヒーはなるべく新鮮な淹れたてを飲む方がよいでしょう。