こんにちは。

今回は、ステロイド外用剤の色素沈着について質問を頂きましたので私の見解をお話したいと思います。


質問:

私の人生で、出会ってきたアトピーの方のなかには、大変、重いかたが数名おられました。

生まれて、物心ついた時から、ずっと、アトピーで、ステロイド外用剤を30年以上使い、現在も、使い続けておられる方も複数名おられます。

やはり、何十年と常用しておられる方は、アトピーの炎症自体は、そんなに表面化していませんが、肌の色が、明らかに健康人の色と違い、ステロイドを使っているのが、すぐにわかる独特の肌色をされています。

このようなステロイド依存の成人型アトピーの方の深刻なお肌の状態を鑑みて、もしも、ステロイド外用剤ではなく、ステロイドの内服だけを、小さいころから、常用していたら、色素沈着や肥厚などの、重篤な皮膚症状が形成されずに済んだのだろうか?と思ったのですが、どう思われますでしょうか?


解答:

○○(読者)さんはステロイド外用剤の色素沈着が気になっているようですね。そして、その色素沈着はステロイドを内服すれば改善するのか聞きたいということですね。

まず一つ目の質問内容のステロイドによる色素沈着についてお話します。

ステロイド外用剤の色素沈着は、皮膚のかゆみが適切にコントロールできてないために出来たものと私は思っています。
ステロイドの副作用ではないと私は思っています。

この内容の理由について少し説明させて頂きます。

アトピーの患者さんで色素沈着している人というのは、常に痒そうにしています。

患部を継続的に刺激する(かきむしる)ことで、メラニンが生成され皮膚が黒くなったり、硬くなったりしているのです。


このアトピー症状の治療状態は、ステロイド外用剤でかゆみを抑えようとしているだけで、アレルギー暴走の原因である腸内環境を改善する治療を行っていないため、常時、かゆみが起きています。

つまり、原因が取り除かれないままステロイド外用剤を使っており、結果、ステロイド外用剤の効き目が落ち、常に皮膚にかゆみが生じているため、皮膚の色素沈着が起きています。

多くの皮膚科のアトピー治療がこれに当たります。


それに対して、原因治療を行っているアトピー患者さんは、長年ステロイド外用剤を使っていても、色素沈着していません。

ステロイド外用剤を長年使っているのに普通の人と変わらない皮膚の雰囲気を持つアトピー患者さんがいるのです。


このような人は、近くにいても普通の人と変わらないので存在を感じにくいです。

逆に、ひどいアトピーの人で色素沈着してしまっている人は、大変目立ってしまいます。

そのため、ステロイド外用剤が色素沈着を起こす原因だと、誤った解釈をされてしまっているのだと私は考えています。


以前、私の皮膚も黒く硬くなっていた時がありましたが、原因療法を行っている現在では、ほとんど色素沈着が分かりません。

ステロイド外用剤を使っていても、かゆみの原因を少なくすれば正常な肌にもどるのです。


まとめると、アトピーの原因を減らす生活を行いながらステロイド外用剤の使用すれば、色素沈着なく、効率的に正常な皮膚を取り戻すことができると私は考えています。



次に、ステロイドの内服の質問ですが、色素沈着は起きないですが、私はお勧めしません。
お勧めしない理由は、体に負担が大きいからです。

特に骨への影響が大きく、高齢になるほど骨折などの危険を伴います。


ステロイドの内服の副作用が大きいことから、一般的な薬剤師の意見としては、自分が病気の場合でも出来る限りステロイドの内服はしたくないという意見がほぼ100%を占めるだろうと思います。


ただ、効き目がはっきりした薬なので、どうしても必要な場合(急性の場合・必要な病気)は、あります。

その場合は、しっかり先生と相談して決めていかないといけない薬ではあると思います。


まとめると、薬剤師の視点からステロイド外用剤と内服剤を比べると、外用剤の方が安全に効果的に使うことができ、内服剤はどうしても必要な時の奥の手として使用するのが良いと私は考えています。

私はステロイドは、薬中の薬だと思って、敬意を払って使用しています。使い手を選ぶ、魔法の道具なので、どんどん使った方がいいとは決して思いません。ただ、用心深く、適正に使う能力があるのなら、試してみる価値のある道具だと私は思っています。

どう考えるかは、○○さんの考え方次第ですので、私は無理に勧めません。

食事だけでも十分良い体調が維持していけるとも思っていますからね。

質問の解答は以上です。


次回も質問と解答のパターンでお話し予定です。

アトピーで黒くなったり、硬くなった肌が、適切な治療できれいな肌になりますように虹


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