インフルエンザ治療薬と異常行動との関係 | 薬剤師発!健康へのブログ

インフルエンザ治療薬と異常行動との関係

抗インフルエンザ薬「タミフル」を服用した中学生がマンションから転落死するというショッキングなニュースが数年前にあったことは記憶に新しいところです。その他にもタミフル服用中の未成年者の異常行動が相次いで報道され、これをうけ、厚労省は07年3月、10歳代へのタミフルの使用制限を決定しました。あれから数年、本当にタミフルと異常行動に関連性はあるのか様々な検証がなされました。

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多くの人に「タミフルを飲むと異常行動を起こしてしまう」という印象をすりこませてしまった事件が相次ぎましたが、感染症学会など医療従事者の間では「インフルエンザ治療薬と異常行動には因果関係は無い」というのが主流な見解です。インフルエンザにはインフルエンザ脳症などの意識障害や精神神経系の異常症状を来たすことがありますので、その症状と混合しているのではないかということです。

その見解を示す厚労省研究班による疫学研究のデータを紹介します。

06~07シーズンにインフルエンザにかかった18歳未満約10000名を対象に、タミフル服用者と非服用者に対して発熱後4日間、精神神経系に異常行動がなかったか調べてみました。結果、タミフル服用者と異常行動には関連性を見いだせなかったとの報告があります。

また、平成17年度厚労省科学研究「インフルエンザに伴う随伴症状の発現状況に関する調査研究」においても約2800人の小児を対象に同じような検討をした結果、やはりタミフルと異常行動の間に因果関係は認められませんでした。

ただ、こういった検証結果があったとしても薬を避ける方はやはりいらっしゃいますし、いまだに「日本は海外メーカーからタミフルを買わされている」と言う人までいます。しかし、フラットな目で「事実としてこういう検証があります」ということは押えておくべきでしょう。

インフルエンザは早期の検査と処置(投薬)で重症にならない病気です。理想は48時間以内の投薬です。ぜひ早めの対応を心掛けて下さい。

ちなみに、、僕自身は1回だけの使用でOKの「イナビル」という抗インフルエンザ薬を利用しています。吸い込むタイプの薬ですので小さなお子様や咳が止まらない人には不向きですが、タミフルより便利です。

今回は長文になりました。最後までお読み下さりありがとうございます。


(クレデンシャル12月号参考)

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