グルコサミンの効果について

保険薬剤師の米澤よしゆきです。

今通販でものすごくＣＭが流れているグルコサミン。

効くのでしょうか？？


グルコサミンのサプリメントは健康食品の部類であって

医薬品ではありませんので、膝の関節痛に「効く」とは表記

できません。

ですからＣＭでは女優さんがグルグル～～♪とヒザを回すくらいしか

表現できないのですが、たとえサプリであっても効けばうれしいものです。

ではその効果はどのように評価されているのでしょうか？



















できるだけ公正な資料ということで、国際的な報告書である

「CLINICAL Evidence」から検証してみます。

「CLINICAL Evidence」は世界中の臨床研究から多くの治療法を評価

しています。


まず中高年期の膝の障害で多いのが「変形性膝関節症」ですが、

これに対してグルコサミンは有益なんでしょうか？？


調べて見るとグルコサミンは「有益不明（unknown effectiveness）」に

属しています。

ちなみにテーピングやヒアルロン酸注射は「有益である可能性が高い（likely to be benefical）」

とされています。

この評価の根拠として、同誌は

「グルコサミンは、痛みの軽減にプラセボ（偽薬）以上の効果は

もたらさないかもしれない」

とし、「グルコサミンのエビデンス（臨床結果の根拠・証拠）に関しては、

層反するエビデンスがあり、この相反が解決されるまでは効果について

結論付けられない。」とも記しています。


健康食品成分の情報を集めている「ＮＭＣＤ（natural medicines comprehensi

ve database）」によると、

グルコサミン硫酸塩は「おそらく有効（likely effective）」となっていて、

安全性も「おそらく安全（likely safe）」とされています。


2010年の文献では、

グルコサミンの痛みの緩和具合は「度合いがわずかに減少しているものの、

臨床的に重要な差とは言えない」と結論付けています。


しかしながら、膝の痛みを抱える高齢者にとって、

あれほど多くのＣＭや広告を見るとつい頼ってしまう気持ちも

理解できます。

その気持ちは尊重すべきかなと思います。

グルコサミンだけで膝の痛みを治そうと思わずに、毎日の運動などで

徐々に快方へ向かうのが得策ではあるのですが。


ちなみに・・・

コンドロイチンも上記資料においてはグルコサミンと同じような評価でした。