砂糖はカラダに害か? | 薬剤師発!健康へのブログ

砂糖はカラダに害か?

保険薬剤師の米澤よしゆきです。

ここ数年、日本国内の砂糖の需要が激減しています。

これには砂糖以外の甘味料の台頭といった理由もあるでしょうが、

「砂糖=太る」という印象が強いこと、ダイエット志向やメタボリック対策の

観点から砂糖を避けるようになってきたのではないでしょうか。

しかし、砂糖は、重要なエネルギー源であり、ストレスを緩和するなど、

私たちの食習慣を豊かにする重要な食材の一つです。

また、脳細胞が唯一栄養源とするのが糖分ですので、

摂り過ぎない範囲で積極的に摂取したいところです。


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では、ここで考えたいことがあります。

砂糖を摂り過ぎると危険なイメージのあるものの代表と言えば

「糖尿病」です。

であれば、本当に砂糖を摂り過ぎるとそれが引き金に糖尿病を

発症するのでしょうか?





糖尿病の原因の一つである肥満は、

消費エネルギーより摂取エネルギーが多くなり、

消費されなかった分のエネルギーが脂肪として体内に蓄積されるため

に生じます。

食事の量が多い人でも太らない人はまったく太りません。

こういう人は基礎代謝量が高く、または筋肉量が多く、摂取カロリーを

しっかり消費しています。

あまり食べなくても太る人は運動量が少なかったり、筋肉量が乏しかったり、

カロリーを上手く消費できていません。

つまり、肥満は、砂糖や甘いものを食べると太るのではないということです。

さらに、米国糖尿病協会が示した指針では糖尿病患者にショ糖を含む食品を

制限する必要はないことを発表しています。

もう一つ挙げておくと、日本人の糖尿病患者の95%がⅡ型糖尿病なのですが、

この病気の原因となる血糖値上昇は「早食い」「過食」であるといわれていて、

特に甘いもの、砂糖が原因ではありません。





また、前述しましたように、

脳はブドウ糖を唯一のエネルギー源としています。

さらに脳は寝ているときも常にブドウ糖を消費し続けていますから、

ブドウ糖が足りなくなると、意識が朦朧としてくるなど、大変危険な

状態になります。


砂糖だけでなく、ご飯、パン、麺といった炭水化物(糖質)に多く

含まれるでんぷんも体内で分解されてブドウ糖に変わりますが、

砂糖はでんぷんに比べてブドウ糖に分解されやすく、速やかに

エネルギー源として取り込むことができる良さがあります。

疲れたときやイライラした時に甘いものが欲しくなるのは、脳が

早急にエネルギーを必要としている場合が多いです。



そのほか、ブドウ糖には精神安定に関わる効果もあります。

少量であっても甘いものを摂ると、なんとなく満足感や幸せな

気分になります。これは、精神を安定させる神経物質であるセロトニン

という物質を多く作り出すのに一役買っているからです。

このようにブドウ糖には心身ともに満足させる効果がありますので、

速やかにブドウ糖に変わる砂糖をうまく取り入れることで、

効果をより発揮できるといえるでしょう。






東大のあるグループの実験で「糖反射」というものがあります。

砂糖水を飲むと数十秒間胃の運動がとまった・・・

というものです。

これを取り上げて一部のアンチ砂糖派は

「砂糖は胃の活動を停止させる」

と言いますが、この実験結果には信憑性があまり無く、さらには、

なぜそうなるのか証明されていません。


逆に東大大学院グループは、

ある濃度のショ糖溶液ががん細胞を殺すという実験結果を発表し、

もともとショ糖が持つ防腐作用の効果である事を立証しています。

がん細胞にこの濃度のショ糖液を上手くとどまらせることが出来れば

医療の現場で活躍できるものとなります。
(2006年)

他にも鹿児島大の研究では砂糖が慢性関節リウマチを軽減させたり
(2006年)

という報告もあります。他にも色々あるのですが、総じて言いますと、

アンチ砂糖派に叩かれるほど悪いものではありません。





砂糖を多く摂ると、結果的にカロリー過多で太る原因になりますが、

それは砂糖だけに限らず、米でもうどんでもお肉でも同じです。


もしあなたが糖尿病でないのなら、即エネルギーに代わってくれる

砂糖を重宝してもよいのではないでしょうか?



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