酢と腸内細菌の関係 | 薬剤師発!健康へのブログ

酢と腸内細菌の関係

保険薬剤師の米澤よしゆきです。

今回は今年に発表されたばかりの最新のメディカルな話題を。


みなさま、酢の成分と言えば何かわかりますか?

酢酸(さくさん)ですね。

実は、この酢酸がヒトの腸内環境に大きくかかわってることが

わかりました。


実はこの酢酸、腸内細菌が産生する脂肪酸の大部分を占めて

いるのです。さらに有名な善玉菌の一つである「ビフィズス菌」は

乳酸を産生することで有名ですが、他にこの酢酸も産生しています。

ここまで予備知識として押えておいてください。


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では・・・


そこで今回のトピックスは、

この酢酸が腸炎や皮膚炎、さらにはもっとやっかいな潰瘍性大腸炎や

術後再発クローン病などの胃腸の病気にも効果があることが分かった

ということなのです。


上記の病気にはT細胞という免疫系の細胞が関与しているのですが、

詳しい説明は省くとして、

酢酸(解析ではナトリウムイオンをくっつけた酢酸ナトリウムを使用)

T細胞の活性化を抑え込み、炎症部分の改善をもたらしたのです。



これまで大腸菌による腸炎を防ぐのは、ビフィズス菌による乳酸だと

言われていました。

ですので、みなさんも「乳酸菌はカラダにイイ!」と教えられてきましたね。

しかし、2011年、上記の結果を経て、

「乳酸より酢酸が大事なのではないか」

という論文が発表されて話題となっています。


なぜ酢酸に注目したかといいますと、

腸内細菌が生み出す酢酸の「存在意義」が何なのか?ということです。

なんらかの意味があって彼ら(腸内細菌)は酢酸を生み出しているはず。


だってヒトのカラダにはたくさんの腸内細菌がいるのに、炎症はほとんど

見られません。

もちろん、ヒト側の免疫の効果もあるでしょうが、腸内細菌側にも理由がある

と考えるのが普通です。

そこの疑問点から調べて見ると、酢酸がヒトの腸管内でしっかりと作用している

ことが突き止められました。 (どのように突き止められたかは難しいので省きます)


さらに、

医療現場サイドの話をすると、いかに酢酸を腸に届けるような

薬(注射なのか飲み薬なのか)を作っていくのかが注目されています。

なかなか腸に酢酸をダイレクトに届けるのは難しいので、

酢酸を豊富に生み出す菌を薬にして飲むという手が有力視されています。



これで酢酸がヒトの腸のなかで重要な役割を果たしていることが

分かりましたね。

乳酸より酢酸。

ヨーグルトより酢の物です。

あ、黒酢はもろみ酢なのであまり関係ないですよ。

覚えておいてくださいね^^


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