夏の病気「ヘルパンギーナ」 | 薬剤師発!健康へのブログ

夏の病気「ヘルパンギーナ」

保険薬剤師の米澤よしゆきです。


夏にかかりやすい子供(大人も)の病気で

やっかいなものに「ヘルパンギーナ」というもの

があります。


ヘルパンギーナとは

コクサッキーウイルス群の感染によって、高熱と

喉の痛み(喉に水疱や潰瘍がみられます)にみまわれ、

筋肉痛や脱水の症状もみられます。

最もかかりやすい年齢は1~5歳で、潜伏期は2~7日くらい。

全経過は3~7日程度です。

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どうしてやっかいかというと、

39度を超える高熱が出るのに、これといった特効薬が

ありません。

おなじ39度超えのインフルエンザなら「イナビル」という

起死回生の抗ウイルス剤がありますので、僕なんかは

「ヘルパンギーナになるくらいならインフルエンザのほうがまし」

と思うほどです。

(まぁ、インフルエンザのほうが深刻な病気ではありますが)


では、家族が、特にお子様が「ヘルパンギーナ」になったら

どのような処置を施せばよいでしょうか?ここでまとめておきましょう。


まずは、解熱鎮痛薬の投与です。

アメブロのようなブログには薬に対して否定的・批判的な

記事をよく目にします。

しかし、僕が薬剤師だから言うわけではありませんが、

お子様が高熱で苦しんでいるときに、親として

「絶対に、このくらい大丈夫。がまんできる!」

と100%言い切れるとき以外は解熱鎮痛剤の投与が

望ましいと思います。

高熱による体力の消耗は脱水を引き起こしますし、

熱性痙攣や脳炎、急性心筋炎を招くことがあります。

かつて小児のインフルエンザ患者に解熱剤を投与して

死亡した例がありました。

あれは小児に対してロキソニンやボルタレンという

小児への適応の無い薬を飲ませたからです。

少し話が脱線しましたが、

ヘルパンギーナに対して解熱鎮痛剤を飲ませるなら

たかだか1日2~3回ですから、副作用を心配するより

熱が下がったときの恩恵を選択すべきです。

アセトアミノフェンという成分の薬なら問題ありません。

座薬でもOKです。(うちは座薬を使います)


そしてイオン飲料やスポーツドリンクで水分補給

すること。果実ジュースはノドが痛みますのでNGです。

氷をなめさせるという手もあります。


4日経って熱が下がらない場合、または水分がまったく

摂れない場合は小児科を受診してください。

点滴による水分補給を行います。



ヘルパンギーナは患者本人も辛いですが、子供なら

機嫌が悪くなり、ぐずりますので、そばにいる家族も

辛くなる病気です。

しかし、通常は3日もすれば良好になりますので、

冷静に対処していただきたいなと思います。


最後に、

ヘルパンギーナはウイルス感染症ですから、

飛沫感染するため、せきやくしゃみで感染します。

なのに、インフルエンザと違って、学級閉鎖の対象に

なりにくい病気です。

ですから、この時期のお子様のうがい・手洗いはしっかりと

行うように心がけてください。


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