話題のレスベラトロールは寿命を延ばすか？

保険薬剤師の米澤よしゆきです。

6/12、ＮＨＫスペシャル「寿命は延ばせる！」で、

赤ワインの成分、「レスベラトロール」という抗酸化物質が

紹介されていました。



かんたんに説明しますと、

レスベラトロールは，ブドウの皮や赤ワインに含まれる成分で、

ポリフェノールの一種です。

試験管内や動物実験の段階では血小板のねばつきを軽減し，

血流をよくします。

実験室で行なわれた研究では、動物においてガンの進行を

妨げることが報告されています。



また、マウスの実験では、

肥満マウスにこのレスベラトロールを毎日投与すると、

肥満なのに血糖値が正常になり、肝臓の状態も正常に

なりました。さらに筋肉運動量が上昇しました。

この運動量の上昇により、肥満マウスの運動性能はＵＰし、

肥満が解消される方向に向かったとの事です。

そして驚くべきは

レスベラトロールを与えられている肥満マウスは、

他の肥満マウスと比べて、飛躍的に寿命が延びました。

食事制限をしていた標準マウスと差が無い寿命だったのです。

毎日食べたいものをガマンしてきたマウスと、

食べたいものを食べたいだけ食してきたマウスが

健康上、差が無かったのです。　



いいですね～

ここまではレスベラトロールは完璧な長寿の秘薬といえます。


しかし、肝心なことはここからで、

これらのマウス実験が、ヒトでも有効かどうか？？


現在、ヒトでの実験が進行中で、ＮＨＫスペシャルのなかでも

人体に有効な用量の経口薬があれば，

健康と寿命の面で総合的に改善できる

と紹介されています。


可能性は無いとはいえません。

数年後、製剤化されているかもしれません。

たのしみです。


ところで、

このレスベラトロール、ものすごい勢いでサプリメントが売れています。

僕のショップでもお客様からのリクエストがあり販売しています。

ショップは出来る限りお客様のリクエストには応える義務がありますので、

お望みの方へは販売はしますが、ここではあえて紹介しません。


というのも、

前述のガン実験やマウス実験のレスベラトロール投与量ですが、

ヒトの成人の体重に換算すると、サプリメントなら１日1000錠ほど飲む

必要があります。

これには無理があります。

長寿のマウス実験をＴＶで見た人が、それを期待して飲むのに1000錠

飲んでくださいとはいえません。




ちなみに

赤ワインだと1日グラス2000杯くらいとなります。
























やはり、

将来ヒト用として製剤化されるのを楽しみに待つほうが良いのではと思います。