食中毒の知識「セレウス菌」 | 薬剤師発!健康へのブログ

食中毒の知識「セレウス菌」

保険薬剤師の米澤よしゆきです。


この季節になると、どうしても気になるのが食中毒。


ぜひ知識として押えておいていただきたいケースを

お話します。


それは、

ちょっと厄介な菌、セレウス菌についてです。



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これは、焼き飯、カレーライス、ご飯など、

「ちょっとあったかいものを、そのまま保存した」

場合にあたりやすい菌なんです。

空気を嫌いますので、食品の中の方に潜みます。

また、けっこう熱にも強いので、加熱調理したからといって

安心ではなく、さらに言うと、アルコール殺菌にも強いので、

まな板・包丁などを消毒したり、手指を消毒したとしても

防げるものではありません。


症状としては、吐き気やおう吐が主なものです。

胃酸に弱い菌なので、腸にまで毒素が届きにくく、下痢の症状は

あまりありません。

また、発熱もないので、治療としては内科や胃腸科、小児科で

脱水を防ぐ点滴などで改善します。

ただ、この吐き気が普通の吐き気の何倍もつらいです・・・。


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では、どうやってセレウス菌から身を守るのか??

衛生研究所の見解は以下の通りです。

◎食べ物を室温で保管するのは避けましょう。
 食べ物を高温で保管する場合には、60度より高い温度で
 保管しましょう。
 食べ物を低温で保管する場合には、5度より低い温度で
 保管しましょう。

◎熱くなっている食物を冷やして保管しようとする場合には、
 小分けにして速く冷やすようにしましょう。深さが10センチ
 メートル未満(濃厚な食物の場合には7.6センチメートル未満)
 の小さな容器に入れて冷蔵しましょう。

◎食べ物を食前に再加熱する場合には、速やかに74度以上に
 加熱しましょう。

など。

しかし、いちいち温度なんて計ってられませんね。

要は、

あたたかい食品を大量に常温で放置しないこと。

できるだけ小分けにして冷蔵庫で保存すること。

その日のうちに食べてしまうこと。

お弁当は、底の深いお弁当箱ではなく、浅いものを選ぶ

とよいでしょう。

祭りなどの炊き出しなどは出来るだけ食べないようにする。


また、

アルコール殺菌は完全ではない菌なので、調理器具は次亜塩素酸

殺菌すると予防に
なります。
(これはノロウイルスもO-157もO-111も共通して言えることです)



それと、


このセレウス菌とにたような菌に

ウエルシュ菌


というものがいます。


カレーの作り置きで激しい下痢を引き起こして一躍

有名になった菌です。


この菌も加熱やアルコール消毒に強いので、

夏場のカレーや煮込み料理の作り置きには注意です。


「カレーは一晩寝かせた方が旨いんや~」

という考えは、この季節やめましょう。


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