世界最高峰のミュージカル、日本人キャストでついに上演!

 

 

ということで見に行かせていただきましたメポピこと『メリー・ポピンズ』。

所は東急シアターオーブ。

ディズニーを代表するミュージカルクラシックとも言うべき名作ですが、内容はほぼすっかり忘れてしまっているのでいろんな意味で初見のようなもの。

唯一よく知っているのは劇中曲の『チム・チム・チェリー』で、自宅にある50弁のオルゴールに入っています。あの独特の浮遊感あるメロディがオルゴールとの相性抜群で、鳴らせば部屋中に何ともいえない不思議な雰囲気が漂うのです。

オルゴールというのは音を鳴らす歯のようなものの数が多ければ多いほど重厚なサウンドになり、僕のものはその歯が50本あるので50弁のオルゴールということになります。

『チム・チム・チェリー』はもともとオルゴール曲として存在しているものですが、そうでないものを手に入れたい場合は機械を一から作り上げないといけないのでその分金額は高くつきます。

 

まあオルゴールの話はどうでもいいとしてメポピですが、まだ見ていない人もいるでしょうから詳しくは書けませんが、とにかくいっぱい歌います。

もしかしたら会話より歌っている時間の方が長いかも知れません。

しかしそれでくどく感じないのは曲の良さもさることながら、ダンスや照明、セットも含めた細かいところまで神経の行き届いた演出の妙。

煙突掃除たちのダンスシーンなんかはまさにこの作品を象徴する印象的なシーンで、ああメリー・ポピンズってこんなだったなーと郷愁感にかられたり。

 

劇中に込められたメッセージもいたってシンプルで普遍的なものですが、ただ単にお金より愛が大事なとど言ったところで現代人には響かないわけで。それを響かせるためにはそれなりの説得力(POWER)が必要になります。

実際響いたかどうか?

それは劇中笑うところでは笑い、泣くところでは泣き、最後には全員が永遠に終わらないのではないかと思うほどのスタンディングオベーションを送っていたことが何よりの答えでしょう。

(僕も人前なのでぐっとこらえましたが、泣こうと思えば4、5回は泣けた)

お笑いにも同じことが言えます。下げよりもそれを引き立たせる振りが大事。

 

キャストの皆さんも素晴らしく、ベテラン勢はやはりそれぞれ熟練の味わいがあり、子役2人も瑞々しく輝きのある声で見事な演技でした。ストーリーとは関係なく子役2人を見て一生懸命練習したんだろうなという背景を想像して目頭が熱くなってしまうという、初めてBABYMETALを見たときのような感傷が湧いてしまいました。(俗に言う“老い”だね)

ちなみに我が芸人としての先輩であるもう中学生さんも本人のキャラクターに合った役どころを見事に演じきっていて最高に格好良かった。(残り日程まだまだありますが頑張ってください)

 

しかしやはりエンターテインメントというものはできる限り生で鑑賞すべきです。お笑いも音楽も美術も。もちろんミュージカルも。伝わる迫力が違います。

便利性と芸術性は反比例します。動画やファイルなどでその芸を知った気になっちゃいけねえ。多少面倒でも直接足を運んで鑑賞することで初めてその芸の本質を見れるってもんです。

 

そしてメリー・ポピンズは約1万円払って見に行くだけの価値がある劇です。

見る者の感情を揺さぶるメリーゴーラウンド。

それはまるで魔法のような人間の生身から生み出されるPOWER。

パゥワー。