季節は秋を迎えまして、だいぶ寒くなってまいりました。

外出時にコートを着るか着ないかでその日の人生が変わるという繊細な時期。

 

しかし暑さが苦手な僕にとって少し寒げな秋は最も好きな季節。

また外の空気がどこか哀愁を帯びたような雰囲気があるのも秋の好きなところ。人々がエネルギーに満ちた夏が終わり死の季節である冬がやってくる前の独特の空気。

 

そんな秋の日、一人浮き足立ち顔のニヤケを抑えきれずに早歩きで街道をゆく男。

学名をニホンオオヒゲキモノッポ。

 

僕です。

 

目的地は野間記念館。自宅からはやや遠いですが、もはや準レギュラーといっていいくらい通い続けている美術館です。

 

今回の展示は『川合玉堂と東京画壇の画家たち』展。

川合玉堂は好きで興味の湧く内容だったため、もとよりどこかのタイミングで行く予定でしたが、実は今回の目的はもう一つあり。

 

 

遡ること約九ヶ月前。時は西暦2017年2月。

そのときの野間記念館の展示は『色紙「十二ヶ月図」の美世界』展。

各画家が花鳥画、美人画、風俗画などそれぞれの得意分野で十二ヶ月をテーマに描いた色紙群で、あまり世に知れ渡っている名品というわけではないものの、季節をテーマにしているだけあり情緒に溢れ、隠れた名品揃いの充実した展示会でした。

 

その中で見つけた山川秀峰の『三月、雪姫』。

完全な一目惚れ。僕が今まで見てきたあらゆる美人画の中でも最高の美しさ。

日本女性かくあるべし、といった理想の美人。

よもや上村松園を超えてこようとは。

しかし野間記念館のミュージアムショップには何名かの画家の十二ヶ月図のミニ色紙は売っているものの、雪姫はないのです。

 

だからといってあきらめきれず、この美しき雪姫を何としても部屋に置きたい!ということで受付の方にミニ色紙化もしくは複製画を要望するも、あまりそういったリクエストは普段ないようで、受付できませぬとのこと。

やや意外。部屋でもその絵を鑑賞したいという人は少ないものなのでしょうか。

ライブでしか演奏していない曲の音源化を求める声は多いものですが。

しかし雪姫のストーカーと化した僕はやはりあきらめきれず、その後野間記念館に行くたびにアンケート用紙に雪姫の色紙化希望の旨と、一縷の望みを持って自らの連絡先まで書き続けていたのです。(友を連れて行ったときも雪姫を綺麗だと言ってくれました)

 

 

そして今、西暦2017年11月。

あるとき僕の約10年使っているガラケーが唸り声をあげたのです。(マナーモードって硬いテーブルとかに置いてると普通の着信音よりうるさいときあるよね)

電話に出てみると野間記念館から。それも館長様直々のお電話。

驚きを禁じ得なかったわけですが、果たしてその内容とは・・・・・。

 

 

 

書き疲れました。

というわけで次回に続く。