またしても山種美術館。
もちろん美術館は他にもいろいろ行っているのですが、上村松園がメインとなれば書かずにゃいられません。
上村松園(うえむらしょうえん)は明治~昭和にかけて活躍した美人画家。
長きにわたる日本絵画史の中でもこの人ほど美しく日本女性を描いた画家は他にいないのではないでしょうか。
女性の表面上の美しさだけをとらえるのではなく、内面から滲み出る美しさまでをも描ききる神業。それは松園自身が女性であったからこそ成し得たことかも知れません。
『女性は美しければよい、という気持ちで描いたことは一度もない。一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである』
上村“ザ・信念の女”松園
汚れたものを賛美したがる今の若い女性などには共感を得ない信念かも知れませんが、どうか一度松園の絵と対面し、自らが日本人であることの素晴らしさを実感してもらいたいものです。
ましてや当時は今ほど女性が芸術の世界において男性ほど活躍できなかった時代。
そんな時代を苦しみながらもオノレの強固な信念ひとつ胸に抱いて戦い抜いた松園こそ日本女性の手本となるべき人。
そして僕の理想とする女性はいつだって松園の絵の中に。
《つれづれ》。
ぱっと見たとき神奈川沖浪裏を連想しましたが、参考にしてるのかな。
松園以外にも鏑木清方(かぶらききよかた)や伊東深水(いとうしんすい)といった美人画の名手から、鳥居清長(とりいきよなが)や月岡芳年(つきおかよしとし)などの浮世絵に至るまで、幅広く個性的な美人画を展示しています。
個人的には池田輝方(いけだてるかた) 《夕立》の女性が妙に現実感あって色っぽく感じましたな。
菱田春草(ひしだしゅんそう)は言わずもがな。天才よ。
そして館内の「Cafe 椿」にて今回は松園の《新蛍》をイメージした和菓子《初ほたる》をいただきましたよ。
見た目も可愛らしく、柚子あんの風味が良しときた。