ギターという楽器が大好きでして。

 

自分もアコースティックを多少嗜みますが、まだまだ便所虫レベル。弾く気持ちよさが聴く気持ちよさに勝てないようです。

 

しかしあらゆる音楽ジャンルに八百万の神が存在するギターの世界ですが、神や巨人と言われる人たちはよくもまあ皆あれほどに気持ち良く、また個々に異なる表現を身につけたものだなと感心するものです。

 

僕も勿論、全ての神々を知っているわけではありませんが、T-ボーン・ウォーカーほどの快感を与えてくれる人にはまだ出会っていません。

 

まあボーンは別格として、今回は僕の中でも常に好きなギタリスト上位にいる人をご紹介させていただきます。

 

 

エリック“音キレイ”ジョンソン。

 

 

アメリカのベテランギタリストですが、何といってもこの人の最大の魅力は音がキレイ。

 

音がキレイ。

 

おそらく彼以上に音がキレイと言われるギタリストは他にいないのではないでしょうか。

それはエフェクターなどの機材に対する細部に至るまでの職人的こだわりがそうさせているのは有名な話ですが、テキサスで生まれた彼は子供の頃に近所にあった美しい湖を見て、水というものに対してある種の神秘性を感じていたようで、それが彼の透明感のある水のような音色を生み出した根源的な原因になっているように思われます。

 

しかし彼の魅力はそれだけでなく、単純にそのギターテクニックひとつをとってもまさに超絶技巧。ロック、ジャズ、フュージョンといった幅広いジャンルからのアプローチを華麗に弾きこなし、メタルギタリスト顔負けの流麗な速弾きまでも見せてくれます。

 

また彼は自らヴォーカルをとることもあるのですが、爽やかでやや中性的な雰囲気漂うこれまた魅力的な声をしており、キレイなギタートーンとの相性も抜群なのです。

 

余談ですが彼には幻の1stソロアルバムがあり、77年にレコーディングまでしたのですが、当時の流行音楽とはかけ離れた内容だったためにレコード会社が売り上げの期待ができず発売させてくれなかった、という話があります。

このアルバムは『Seven Worlds』といい、98年にやっと発売されたのですが、その革新性からもし77年当時発売されていたら後のエディ・ヴァン・ヘイレンが霞むほどの革命をギター界に起こしていたのではないか、とも言われています。

 

 

まあとにかく百聞は一見にしかず、ということでまずオススメはこれ。

『Ah Via Musicom』(邦題『未来への扉』)。

 

歌モノもインスト曲も芸術的な名品ぞろい。

音ひとつで幻想の世界へ旅立たせてくれる音キレイワールドをぜひご堪能。