もう何回目かな。野間記念館。

 

スタンプカードが4個たまると1回分無料で入れるシステム。このスタンプカードも何枚目だろう。

 

今回は『色紙「十二ヶ月図」の美世界』展。

講談社の初代社長である野間さんと交流のあった近代日本画家たちによる一月~十二ヶ月をテーマにした色紙群。

過去のいろんな展示会でも6000枚を超えるという所蔵品からちょくちょく展示されてはいましたが、今回は全編にわたりそれが主役。

 

たかが色紙と侮ることなかれ。実に見ごたえのある名品揃い。

花鳥、山水、美人。画家が各々得意とするジャンルの中でその画力を遺憾なく発揮しております。

 

個人的に思ったのは、どの画家もわりと一月と十二月の出来が素敵なような気がします。

やはり初めと終わりは気合が入るということでしょうか。音楽アルバムでもオープニング曲とラストの曲はやはり名曲が多いです。

 

今回本当に目に留まる名品ばかりでしたが、落合朗風(おちあいろうふう)『十二月、雪松』、山口蓬春(やまぐちほうしゅん)『十二月、雪笹小鳥』、伊東深水(いとうしんすい、あの朝丘雪路さんの父親)『二月、雪梅』などに特に心惹かれました。

 

雪ばっかだ。

 

どうもやはり雪というのは日本画に風情と情緒をもたらす鉄板のモチーフなのでしょう。

 

しかし今回、そんな素晴らしい色紙群の中でも僕にとって最も衝撃的な出会いだったのが、山川秀峰(やまかわしゅうほう)『三月、雪姫』(また雪)。

 

美人画で知られる画家のため、十二ヶ月図でも各月をテーマにした美人を描いています。(同館所蔵の『蛍』は名品!)

それぞれ皆素敵な美人なのですが、三月の雪姫だけは、日本画、西洋画問わずこれまで僕が見てきた全ての美人画の中で最も美しい、まさに理想の美人。

淡いピンクの着物に少しくだけた正座でうつむきながら口元を袖で隠す絶妙すぎる仕草。愛らしさと奥床しさの完璧な調和。『可憐』という言葉を擬人化したような日本美人の究極の形。

 

こりゃ何としても欲しい。部屋に飾ってある美人画たちの頂点としてどうしても飾りたい。

しかしながらミュージアムショップには一部の色紙のミニ複製画は売っているものの、雪姫はないのです。

無念極まりなし。この展示が終われば次はいつ見れるかわかりません。とりあえず展示期間内にもう一回くらいは見に来ようと思っています。

 

受付の方にも雪姫の販売を何度かリクエストし、アンケートにも書いたので、今後販売されることを祈り待ちますが、あれが手に入るなら複製でも6ケタは出すぞ俺はこのやろー。

 

ということでこの十二ヶ月図展、講談社野間記念館にて3月5日までやっております。

またしてもギリギリでのお勧めで申し訳ない。