昨年12月2日に発売されたローリング・ストーンズの11年振りのニューアルバム。
 
現在どっぷりとこの青の世界にはまっている最中ですが、どうやら興奮は一向におさまってくれない模様。
 
 
今回11年振りのニューアルバムと言っても新曲は1曲もなく全編がブルースのカバー。
しかし新曲がないからといってやれ手抜きだやれ衰えただのと侮ることなかれ。
 
この『BLUE & LONESOME』、個人的には21世紀最も重要なアルバムであると思うのです。
 
そもそもブルースとはロックの源流にある音楽であり、ブルースの存在なしにロックを含めたほとんどのポピュラーミュージックは存在し得なかったと言えるほど、ブルースという音楽には全ての基礎がつまっているといっても過言ではないのです。
 
しかしながら時代が進むにつれロック自体も多様化を極め、今では全くブルースを通ってきていないロックも多数存在するようです。
 
 
そんなブルースの影響が薄まってきているこの21世紀という時代に、
 
世界で最も偉大なロックンロールバンドであるローリング・ストーンズが、
 
ブルースのカバーアルバムを出す。
 
 
そこに僕は大きな意義があると思うのです。
 
 
 
『ブルースを知らずにロックや他のポップミュージックなんてやる意味がねえのさ』
by キース・リチャーズ
 
 
極論っちゃ極論ですが、やはりブルースという基礎なしに良い音楽は作れないということなのでしょう。
しかしキースという人はロックンロールアイコンとしての破天荒なイメージが先走ってますが、アコースティックギターをやらずにエレキギターなんてやるなとか、良いバラードが作れない奴に良いロックは作れないとか、こと音楽に対する姿勢は非常に真面目で基礎を大事にする人間なのだと思います。
 
 
そして驚きなのが本作のレコーディングに費やした期間はたったの3日間。
本当にブルースを好きなジジイたちが気負いなく即興的にセッションしたものがそのまま音源として発売されたような生々しくも血の通った音。
これはもはや精密に作りこまれたものがもてはやされるこのコンピューター社会に対するストーンズなりのアンチテーゼなのではないか、とか思ってしまうほど時代と逆行しているアルバム。
 
だからこそこれからという若いロッカーたちが最も手本にするべきなのがこの『BLUE & LONESOME』なのではないかと思うわけです。
 
ベロ。
 
 
さらに伝えておきたいことが。
とりあえず70歳超えたストーンズ、みんな元気です。ということ。
 
ミック・ジャガーはこれっぽっちも衰えない声と、かつてなく吹きすさぶブルースハープ。
今回最も取り上げられているブルースマンがリトル・ウォルターで、彼はブルースハープをもはや体の一部なんじゃないかと思うほど自由自在に歌わせる名人。
ミックのハープもウォルターに追いつかんばかりに実にパワフル。若々しき。
キースとロン・ウッドのギターの絡みもまさにいつものストーンズ。それだけで満足。
チャーリー・ワッツ。一番好きなドラマー。もしかしたら過去最高かも知れないくらいの最高のグルーヴ感。やはり彼なしにストーンズはあり得ません。
 
 
改めて70歳超えたストーンズ、みんな元気です。
 
 
 
 
 
 
 
全然関係ないやつ。