かっこいい漢字をただ並べたわけではありません。

 

日本画家、横山大観の代表作、とまではいかないまでも間違いなく名画。

日本画において龍というモチーフはちょくちょく取り上げられます。西洋画の大きな胴体に羽の生えたやつとは違い蛇のように体が長く髭の生えたイメージ。

 

『龍蛟躍四溟』(りゅうこうしめいにおどる)。六曲一双の屏風に描かれた三匹の龍。

この絵のかっこよさたるや。

(右隻)

(左隻)

凄し。

 

この雲のモコモコした質感、渦巻き荒れ狂う大気の表現。

人が決して踏み入ることのできない過酷で崇高な世界。畏怖すらも感じさせる凄まじさ。

しかし見ようによっては龍たちには緊張感がなくただの井戸端会議のようにも見えたり。

こちらは宮内庁の三の丸尚蔵館に所蔵されております。今年展示されてたので見に行きましたよ。(無料ですよ)

 

 

そうそう、大観の龍といえばこれもまたかっこよろしい。

上野にある下谷神社の拝殿の天井絵です。上野といえば不忍池のほとりに大観記念館もありますが。

激しく吹きすさぶ嵐の中を翔る龍。その躍動感。まさに圧巻。

 

神主さんだったかな?にお願いして見せてもらいましたが、拝殿内の静粛な雰囲気から天井を見上げるとこの猛々しさ。一気に世界が変わったようで同じ空間でのギャップがすごいのですが、しかしなぜかしっかり調和しているという。

ちなみに大酒飲みで知られる大観ですが、この絵が完成したとき「金はいらねぇから酒くれい」と言ってそのときの宴会を謝礼代わりとしたそうです。

だね。間違えた、だね。

 

さらにちなみに下谷神社の境内にはそりゃあもう可愛らしいアヒルさんがウロウロしとります。

会いに行ってみてはいかがかと。

 

 

さて大観の龍、他にも富士(大観といえば富士)とセットで描かれているものなどありますが、上2つはちょっと必見ではないかと思うのです。

雅な印象のものが多い日本画の中で”かっこいい”と思わせる龍というモチーフ。

男の子なら憧れろ。