ブルースという音楽に対する現代人からのイメージってどんなんでしょうか?
女房に逃げられたおっさんが夜のバーで一人ボロボロ泣きながら聴く音楽かな?
なんにせよ現代においてブルースはあまり身近な音楽という印象はないでしょうな。
しかし元々ロックを中心とした多くの現代音楽のルーツであると言われ、ビートルズ、ストーンズ、クラプトン、ツェッペリンなど70年代あたりまでの偉大なミュージシャンらのほとんどがブルースの影響を受け、その上でオノレらの独自のスタイルを築いていったわけです。
現代のお笑いに対する落語のような存在でしょうか。
僕も好きです。ブルース。
そもそもは大好きなストーンズのキースが大尊敬する伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソンを聴いていと素晴らしきと思いけり、黒人ブルースに興味を持つことになったのですが、その中でも、いやむしろこれまでの人生の中でも最高の一枚に挙げられる名盤それこそが、
ひょうきんなポーズでギターを弾くT・ボーン・ウォーカーさん。
B.B.キングをはじめとする多くのギタリストに影響を与えたブルース史に残る重要人物。これはそんな彼の1942~47年の録音を集めたモノ。
ブルースってやつは最高の音楽ですが、なにぶん重く泥くせぇってなもんで、軽い気持ちで聴けないのも事実。
そんな中で彼の都会的でスタイリッシュなブルースはすんなりと耳に心地良く聴きやすいってもんです。
そして全編が聴き所と言っていいくらい魅力的なギターワーク。
ブルースらしいウネリの利いた感じではなく、いい意味で力の抜けた流麗なフレーズが満載。
ある種ギターが魅力的なためにブルースを聴いているといっても過言ではありませんが、私T・ボーン以上のギタリストにはまだ出会えておりません。
ロックンロールを愛する人たちも根源であるブルースを知らずしてロックは語れない、とロックンロールそのものであるキース・リチャーズが言っております。
そしてこの非の打ち所のなさすぎる名盤をどうかぜひご一聴。