クラシカル・クロスオーバーという音楽ジャンルがあります。

クラシックとポップスの中間のような音楽で、クラシックほど重くなく、ポップスほどの大衆性はない、ほどほどに格式高くほどほどに聴きやすい音楽です。

代表的な存在といえばサラ・ブライトマンが有名でしょうか。

 

ニュージーランドはクライストチャーチ。ここにおわすは僕が最も愛する女性歌手。紛れもない本物の天使の歌声。名をヘイリー。ヘイリー・ウェステンラ。

 

小学生の頃、学校の劇で歌を歌った際先生に「この娘はん、絶対音感あるさかい、音楽の道進んだ方がええんとちゃいますのん?」言われ音楽に携わるようになりよってん。

 

そして12歳のとき、妹と2人で路上パフォーマンスとして歌っていたところ、レコード会社の関係者の目に留まりそのままアルバムをレコーディング。何とデビューは13歳。

これほどトントン拍子にデビューまでの道を駆け上がっていけた理由は単純明快。13歳にしてずば抜けた歌唱力。そして声の美しさ。

 

とりあえず彼女のアルバムをどれか聴いていただけりゃわかりますが、今回はあえて13歳当時の御声が聴ける日本版未発売のデビューアルバム『Hayley Westenra』をご紹介しましょう。

 

溢れ出す13歳感。

 

ミュージカルやオペラ、クラシックの有名曲などがレパートリーとなっております。

しかしありきたりな評価ですが13歳にしてこの歌唱力は驚異です。声量、表現力などにおいては29歳現在の彼女の歌と聴き比べればまだ未熟さを感じますが、やはり世界広しといえどもこのレベルの13歳はそうおりますまい。

 

しかし彼女の真の魅力は歌唱力よりもその声にあるのは言うに及ばず。

優しく包み込むように滑らかに広がるその声はこの時点ではまるで真珠のような輝きに満ちており、後に大人になって声質がやや変わりそれは空、海、あるいは爽やかな風のように心地よく耳を撫でてくれるのです。

 

この声さえあればどんな曲でも名曲に変えてしまう。それほどの力が彼女の声にはあります。本作も楽曲のアレンジは割とシンプルに統一されておりますが、その声のおかげで全ての曲が輝きを放って見えるのです。

もはや彼女の発声練習だけを収録したアルバムが出たとしても充分価値はあるでしょう。

 

なぜ音楽を好きになったか。それはこの声を聴くため。

と言ってしまいたくなるくらい彼女の声はひたすらに優しく我ら人の耳を癒してくれます。

 

13歳にしてこの絶品。聴く宝石をご堪能あれ。