ミッシェル・ブラン ランキング マカロンもケーキもショコラもラスクも焼き菓子も・・・


ミッシェル・ブラン(Michel Belin)の最初に買いたい作品のランキングです。
参考になったら嬉しいな♪


クラブ ミッシェル・ブラン ~ Club Michel Belin

クラブ ミッシェル・ブラン ~ Club Michel Belin
 
 
 
Ψミッシェル・ブランのマカロン ショコラ ♪88.9
 
 
クラブ ミッシェル・ブラン ~ Club Michel Belin
 
 
しっとり吸い込まれるよなショコラの香りが堪りません。
ミルクの香りを微かに含ませ、大人すぎる個性に走ることなく、深く湿り気ある表情でカカオの風味を漂わせます。
マカロン生地はしっとり、しかし厚みを感じさせます。
クラストはやわらかくも、しかし肉肉しい崩壊感を持っていることが素晴らしく、さらにクラムの潤い感の心地よさはこれぞパーフェクトと評すべきタッチ。
本当に凄いんです。
カカオの味が持つ甘味が感じられるようにすら思え、そこから苦味がふわっと浮きあがり、いやはや潤いがあるのに健やかなショコラ感というんでしょうか?
なんなのこの素晴らしさって感じです。
 
挟まれるショコラのスプレッドは、舌触りなめらかで強いコクを持ちます。
ショコラのアロマがドーンと炸裂するんです。
苦味をきっちり残すののに、その苦味が薄っぺらくないんですよ。
圧倒的なポテンシャルを突きつけてくれます。
苦味をミルクに頼らずに丸く表現するところが実に個性的であり、質の高さでもあります。
滑らかさに行きすぎることなく、カカオの個性を適度な粒子感を狙って残すことで、カカオに骨太の個性を表現させるあたりも上手です。
展開も完璧。
口当たりの微かな清涼感で、爽快なタッチからの中盤の完璧なるビターテイスト、そこにすぐさま甘味を追従させて、重なりが生み出す太いコク!!
そして口どけの後に残すのは苦味のクウォリティーの高さ!
軽くナッティーな風合いが絡み、良い意味でのカジュアルな性格を微かに匂わすあたりも上手すぎ。
高級感だしすぎて、心離れる作品にはならないのです。
凄いでしょ?
その食感も固すぎず、柔らかさを感じさせるものであることが嬉しいですね。
マカロンのクラストのクラムの食感差が生み出す心地よき崩壊感に、スプレッドのトロッと感が完璧に調和します。
 
どんなに褒めても伝えきれないもどかしさ・・・。
この美味しさは他にはありません。
 
 
Ψミッシェル・ブランのシュークリーム ♪88.8

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正しい商品名はシューです。でもまあシュークリームって言うよね。
シューだけだと、流石に食べたくなりません。
これがまた恐ろしく安いんです。
何と221円。
しかも味が凄すぎ!!
このコストパフォーマンスは驚愕的!!
ブランドものって、普通はブランド料金がついてちょっと割高だというのに、このブランドは何を考えているのでしょうか・・・。
シュー生地のトッピングにシュガーパウダーが添えられています。
清涼な酸味も感じられちょっとしたアクセントに。
でも主役はここから。
シュー生地とクリームが凄いんです。
シュー生地にはコーティングされた生地があり、これがガリッとした食感。
パイ生地を思わす食感で、ほろ苦さではなく、玉子のコクがでているような味わいがみられます。
食感だけでなく味もいいんです。
そしてこのパイ生地っぽいコーティングの下にシュー生地がみられ、これがまた素晴らしい・・・。
ラスクのようにも感じられる風合いもあるかな。
軽すぎず、崩壊性に優れ、ボロボロもしないこの絶妙さ!
食感は完璧。そして味も。
小麦の穀物が持つ逞しさとロースト感、さらには甘みを感じさせるバランスの良さに感激します。
シュークリームの生地はシュー生地とパイ生地のものがあり、どちらがより美味しいかという大きなテーマがありましたが、はっきり答えが出ましたね。
ミッシェル・ブランの2層系生地が正解。
味・食感ともに良いとこどりしてます。
これだけで、このシュークリームは究極です。
しかもこれだけではないから凄い。
当然のようにクリームが凄いんです。
クリームは恐らくはカスタードクリームと生ホイップクリームのブレンドですね、
しかしこの味が分離しているわけでも散らかっているわけでもないのに、この2つの風味がしっかり感じ取れるのです。混ざり合うのではなく、ハーモニーを奏でているんですね、
これは凄い!!
口当たりに蜂蜜を思わすようなコクのある甘味がこぼれ、その下側にカスタードクリームの特徴的な旨味が流れます。明るく軽い感じが実に気持ち良いのです。
生ホイップクリームの個性も表れます。
これはミルキーな甘味が上方に抜けるように広がります。
だからぶつからないんです。
濁らないんです。
このクリームは口どけの良さを追求したものではありません。
舌触りを厚めに、ソフトクリームかのようにも思える風合いを残します。
しかし軽すぎず、口どけが早すぎないからこそ、その口どけ過程において旨味をどっしりと楽しませてくれるのです。
そして口どけ後にはバニラのもつミルクの香りが残り、軽い酸味がべたつきを見せず爽快さで締めてくれるのです。
これは美味しいクリームです。
これが素晴らしい生地に包まれているのです。
とんでもなく素晴らしい作品に出会ってしまいました!!
 
 
 
Ψミッシェル・ブランのメリッサ 天草のショコラ ♪86.9

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ミッシェル・ブランのショコラの最高傑作&代表作です。
彼のショコラはコーティングのチョコレートが極めて薄いのが特徴です。
流石はフランス人ショコラティエですね。
ゴディバやピエール・マルコリーニのカップにインサートタイプとは作りの緻密さが違います。
ジャン=ポール・エヴァンなどの作品とその薄さは変わりなく、限界的なところと言えましょう。
惜しいのはジャン=ポール・エヴァンのそれに比べるとややコーティングチョコレートに張りがなく、パリッと崩壊しながら、しかも瞬間的に溶けていくような個性においてやや劣るように感じられるところ。
改めてジャンン=ポール・エヴァンの凄味を感じます。
しかし一方ではコーティングチョコレートの味わいに作り手の世界観を滲ませたところがこの作品の凄味とも言えます。
このコーティングのチョコレートはダーク系のものでありますが、そこにいくらか焙煎の強さを感じさせるかのようなやや荒削りな苦みと酸味を残します。
これが一瞬排他的、あるいは過剰な主張のようにも思えるのですが、この野性的で素朴な味わいに、なるほどミッシェル・ブランという人間の色が見えるのです。
天才パティシエ、天才ショコラティエと評されながら、あえてパリではなく。都会から少し離れた田舎町に工房を構える彼です。
その町の情景を作品に描きたかったとする彼の作家性が、なるほどこのコーティングチョコレートには滲んでいることに気づかされます。
そんな彼の描く情景に包まれたガナッシュ、これがまた個性的・・・。
彼の代表作であるメリッサは天草の味わいが楽しめる独創的なガナッシュを配します。
クリームの柔らかな口当たりから、天草の風味がハーブリキュール的に草系の個性を滲ませながら中盤に膨らみます。後味ではまるでフランボワーズスプレッドかのように酸味が草系の個性とともに妖艶にうねり、じっくり長い余韻を演出。舌先にキュッと詰まった味わいを残します。
ベースのチョコレートそのものが個性的な性格を持つカカオからなっているとは理解しきれないのですが、個性的なカカオが持つ性格を上手に天草が導いている印象で、これが実に知性をくすぐる味わいになっているのです。
そして不思議にフランスの片田舎の風景が目に浮かぶような味わいにも思えるのです。
まんまとミッシェル・ブランにやられた気分です。
彼の狙い通りのものが表現されていますね。
素晴らしいです。
 
 
Ψミッシェル・ブランのマカロン バニーユ ♪86.8

クラブ ミッシェル・ブラン ~ Club Michel Belin

 
マカロンはザラッとした甘味と、時折見せる潤い感のコントラストが秀逸です。
ミッシェル・ブランの名作マカロン ショコラに比べるとほのかな甘みを有しながら、いくらかボロッとした食感がみられます。
この軽い食感が美味しい!!
マカロン生地がバニラジャムを吸い込んでいるかのように思わせる味わいが素晴らしく、ミルククッキーの一番美味しいものって何って聞かれたら、「ミッシェル・ブランのマカロン バニーユのマカロン生地だよ」って答えるべきと確信させられるところ。
 
バニラジャムは、きもーちバターの個性で口どけさせ、ミルク&バターの風合いで締めるという味わい。
美味しいけれど、ややカジュアルすぎる気がするって思う人も多いのかも。
でも気のせいですよ。
それはマカロンショコラの個性との比較故。
世界最高のマカロンを基準にしてはいけません。
 
これだけわかりやすい美味しさにして、雑味のなさはまさに圧巻。
甘さと少しの酸味を楽しませる内容にして、この透明感は凄いですよ。
 
マカロン生地の温かみと、バニラジャムのいくらかの冷やかさのコントラストも面白いですね。
そしてマカロンが崩壊するときにジャムの甘味が滲んでいく感じは、是非とも集中して楽しんでください。
この瞬間は、もはやは感動的ですらあります。
甘味が緩やかにミルキーな性格に変わっていきます。そして食べ終えてからもふわり浮かぶ甘味が心地いい!!
 
いつまでもこの優しい風に包まれていたいという気持ちになりますよ、絶対にね!
 
 
 
Ψミッシェル・ブランのマカロン フランボワーズ ♪86.5

クラブ ミッシェル・ブラン ~ Club Michel Belin
 
フランボワーズジャムの詰まった果実味がなんともフレッシュ。
この手の作品でこれだけフレッシュ感を漂わすのは凄身ですらありますよ。
生果実の良質さを感じさせる良い味わいです。
マカロンもフランボワーズのフレーバーを微かに滲ませ、甘さの中に見せる酸味がなんとも美しい・・・。
フランボワーズのうねる様な妖艶な色気具合は期待通りの素晴らしさ・・・、そこにマカロンのザックリした食感が気持ちいい!!
美味すぎです。
フルーツ系でもばっちりキメちゃいますね!!
 
 
 
Ψミッシェルブランのマカロン・ビスコッティ・ブラン キャラメルサレ ♪85.9
 
クラブ ミッシェル・ブラン ~ Club Michel Belin
 
口当たりから甘味の濃厚さを感じます。
ホットミルクの風合いが詰まったような温かみに紅茶パウダー(?)のアクセントが渋く重なり、これが作り手の演出として光っていますね。
気泡が大きく、軽い食感である個体が多いこともこの作品の個性。
中盤から感じる甘味には、低域にしっかりとしたコクが生まれ、キャラメルの持つロースト感を覚えるような軽い苦味が感じられ、さらに後味ではアーモンドキャラメルを思わすわかりやすくも愛くるしい味わいが広がります。
この後味の印象が心地よいために、ついつい大人びた風合いや難解性を持たないことが長所でもあり欠点でもある作品と評してしまいそうにも思いますが、軽い食感と崩壊性の巧みさ、更には口当たりでの紅茶の風合いが生み出す風味の2元的演出、さらには卵白の旨味を終始感じさせるあたりはなかなか侮りがたしな名作。
ミッシェル・ブランのマカロンが持つ卵白の旨味をきっちり感じさせてくれる作品であることを嬉しく思えるものであります。
 
焦がし発酵バターの香りの強い裏面と、紅茶の渋みを感じつトップ。
食感はうなぎパイよりもっと厚くて硬め、しかし崩れすぎないけど割れゆく崩壊性の心地よさ・・・。
紅茶の風味が余韻にほっと浮かび心地よい・・・。
バターの甘味を終始感じさせつつ、後味ではこの甘味に伽羅めりっくな風合いとアーモンドの味わいが内包されていることに気づかされます。
そして余韻。
舌にうっとりする甘味が潤います。
この粘度ある質感がなるほどキャラメル・・・。
美味すぎるよ!!
そしてこの甘味の上に感じるコク・・・、個の心地よさ!!
秀樹のバーモントの雄たけびよろしく「アーモンドぉぉぉ!!」と心の叫び&ガッツポーズ!!
なるほど噛めば噛むほど美味しいラスクです。
噛み続けることで生まれるミルクの風合いと発酵バターが重なる瞬間!
これがうめーーーー!!
紅茶の渋みが適度な塩気と酸味をいざない、余韻直前まで風味の展開を惜しまずに、それでいて過剰な演出でマカロン本来のメレンゲの旨味を殺さない・・・。
凄いなあこれ。
 
 
Ψミッシェル・ブランのマカロン・ビスコッティ・ブラン フランボワーズ ♪85.7
 
クラブ ミッシェル・ブラン ~ Club Michel Belin
 
固いけど崩壊性に優れた食感は相も変わらず秀逸。

フランボワーズはオリジナルラスクに比べてその果実味を存分に濃縮しています。

一方ではフランボワーズのうねるような風味の色気は損なわれ、レッドベリーあるいはドライストロベリー的にややシンプルに固さのあるフルーティーな酸味を舌先に残していきます。

口当たりにアーモンドの甘いコクを感じさせつつ、メレンゲの持つふっくらした世界を押し上げ、それを低中域に楽しませつつフランボワーズの引き締まったつまりある味わいを上空に奏でる・・・。

オリジナルのフランボワーズラスクにくらべたら何とも単調でつまらないとは思いつつも、これほど美味しいお菓子が他にあるのかなってくらいのレベルには悠々到達。

後味でアーモンドとフランボワーズが交互にその個性を主張し始めると、余韻のアロマティックな世界への期待がぐっと高まり、呼吸をすることを忘れるような時間帯のスタート・・・。

なんて美味いんだ、これ。
大満足ですよ、大満足!
 
 
 
Ψミッシェル・ブランのマカロン・ビスコッティ・ブラン ショコラ ♪85.4
 
 
クラブ ミッシェル・ブラン ~ Club Michel Belin
 
ショコラは他よりも生地が重々しく、いかにもココアパウダーをブレンドしたタイプの菓子に起こりがちな他との差異を覚えますね。
どうしても気泡が小さいです。
塩がトッピングさらた場合、これがややきつい気も。
かなりオーバーパワー気味に、荒い塩の粒子感と強靭な塩気で他の風味を凌駕します。

いくらかあまみがぬっくりしたチョコレートの質感に、この塩がキレを出しますが同調はしきれていないような・・・。
しかしちょっと塩を払って食べるとあら不思議、これはしっかり塩とチョコのマリアージュ。
チョコの質感が、実はステラおばさんクラスのクッキーのチョコ味と差異がないのは残念ですが(だからラスクでないマカロンショコラを食べましょう!)、これもチョコは焼いたら不味くなるという私の思い込みが証明されたようなもの。
ほのかな量でもがっちりその風味の輪郭を密密と感じさせるこの塩が、何とも言えず愛おしい味わいとなりますから是非!!
ちなみに試食の時は、塩が付いていないんだな。
なんか印象が異なる作品になってますけど・・・。。

とか文句を言いつつも、他のマカロンとは生地のタッチが異なり、同時にアレンジも鮮烈ですから、最も食べたいマカロンラスクとなっています。
気泡の大きい作品の方をより評価すべきとは思いつつも、ショコラティエの作品を食べる時にショコラを食べぬおバカさんなどアルマーニ。
 
 
 
Ψミッシェル・ブランのマカロン・ビスコッティ・ブラン ピスタージュ ♪85.3
クラブ ミッシェル・ブラン ~ Club Michel Belin
 
適度に締りのある食感。
口当たりさらっと甘味を感じさせ、いやそこから甘みがしっかり浮き上がります。
アーモンドをベースに中盤の旨味を作り上げ、この性格に徐々に重なりを加えるピスタチオの味わい。
その風味を包み込むような卵白の旨味がまた上手。
バランスに優れ、一方では個性が穏やか過ぎるかのような作品。

しかし後味に塩レモンを思わすややキリットした味付けが、不思議と感じられこれがやや性格の不一致か、序盤の世界観と異なる風合いにも。

でもまあ美味いです・・・がね!

試食の奴はもっとうまかったはず!
ショコラフレーバーなどの仕上げの塩が完成品にはついちゃうんでしょうね。
それがやや本来の味を損ねているような気も・・・。

実は試食では最高クラスの満足度なのに、なぜか完成品が凡な個性にも・・・。
惜しい、惜しすぎます!

でも美味しい、美味しすぎます!
 
 
Ψミッシェル・ブランのエクレア ♪85.0
 
 
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252円の珠玉の逸品です。
 
トップのチョコレートスプレッドは甘酸っぱく、密な旨味を出しています。
 
そのスプレッドに包まれるエクレア生地はクラストにロースト感が色濃く残り、クラムはドライで素朴な味わいを表現します。
ピエールマルコリーニの作品よりも、生地は密でなく、軽いタッチでありますね。
 
挟まれるチョコレートクリームはどっしりとした味です。
あまり風味を粒子的に広げていくようなものではありません。
チョコチップの固く締りある食感と味わいはGOOD。
このクリームが味わいが生かされます。
このクリーム、口当たりに甘味を感じさせつつ、ミルクの風合いで角を丸く整えられた苦味を表します。
厚みのある味わいです。
一方では拡散的な表現はもっていません。
しかしこの味わいが、ドライさを魅せるパン生地に実に打ち解けやすく、不適切な例えながらチョコレートスナックの味わいを極上に仕上げたかのようなカジュアルな調和、そして美味しさの快活な表現を示します。
 
トップのチョコスプレッドに乗せられるクラッシュナッツの味も、ここに違和感なく入り込み実に美味。
むしろ味が一つにまとまりすぎることを心配するほどに打ち解けています。
 
一方ではもう一つのトッピングである、チョコレートの小さなボールはNG。
ちょっと不味いんですよ。
飾りとはいえ、まったくいらないと思うんだけどな・・・。
 
 
とはいえ、こりゃぁ絶対うまいと言わざる得ない作品です。
イートインのないこのお店です。
本当なら人目をはばからずに、ホットドッグばりに食べ歩きたいんだけどな!!
 
 
 
Ψミッシェル・ブラン フィナンシェ アールグレイ ♪85.0
 
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美味いし!
原材料:バター・卵白・砂糖・アーモンドパウダー・小麦粉・はちみつ・紅茶(アールグレイ)
アールグレイの独特の東洋めいたハービーさを持つ紅茶の香りが、実にエレガント。
そこにまったりしたバターの香りがふくよかに漂い、その相反する個性が喧嘩することなく、しかしお互いに歩み寄らずにけん制し合うような独特の距離感。
蜂蜜の香りがいくらかその両者を取り持ち、奥行きある甘味に食べ手を吸いこもうとします。
口当たりのクラストのロースト感じる張りの強さ。
フィナンシェの中では最も固いもの。
もちろんそれでもしっとりクラムに歯を送り込み、そこからローストの苦味を感じさせながらじわっと滲む甘味、そして後味にコク茶の渋みを思わせます。
風味は風雑。
中盤にはゴマを思わすかのような香ばしい風味が流れ、後味には蜂蜜の個性も。
嫌と気には蜂蜜の酸味がレモンの果汁にも思える美しい酸味を奏で、しっとりした生地が多くの風味を濃密に含み、それを瞬間ごとに外に送り出していくとの印象。
蜂蜜が上質なんでしょうね・・・。
常にこの個性だけは乱れた味を作りません。
そして卵白&小麦ベースという、一見無個性ながら実はコクを感じさせるバックぐらうンdがあってこその内容、
派手さがないためにここの風味の繊細さが生かされます、
フィナンシェの中では一番おいしいです。
 
 
 
Ψミッシェル・ブラン フィナンシェ ナチュール ♪84.3
 
クラブ ミッシェル・ブラン ~ Club Michel Belin
 
 
甘いバターの香り、そしてそれを軽く押し殺したように落ち着きを与えるのが卵白の個性でしょうか?
アーモンドの香りは甘みの中に軽くその個性を示し、謙虚ながらも単調にならないふんわり奥行きをみせる独自の世界観。
ありがちな作品でいながら、どこか格の違いをみせる素晴らしき個性。

食感は軽い粘りを思わす湿り気を持ち、クラストの軽いザラツキも潤いそして密でありつつも圧力の強くはないその個性は欧州の片田舎を思わす湿り気ある風合いを印象付けます。
中盤に一瞬紅茶を思わすようなハービーな風味を細やかな粒子によって軽く香らせ、そこからバターの味わいを低域に示しつつ、これが徐々に高揚し、更にふくらみを持ち、アーモンドの個性が溢れる甘味豊かなバターのテイストを強く残します。

しかしそのふくらみが張りを持った風合いではなく、やはり角がなく、やはり穏やかさを持った個性があり、終始華やかさをみせきらない奥ゆかしさを感じさせるもの。
食べるたびにクラストの少し乾いた食感と、そのロースト感を強く感じ取れるように、食べ手の感性が身がれていくようで、食べ飽きさせる作品ではなく、むしろ探究心をくすぐられるかのような作品。
特に上面のクラストにおける蜂蜜の風合いが食べるたびに愛おしさを増し、この甘味から滲む酸味を舌に転がす幸福感、そしてこの蜂蜜の香りに包まれながら次の一口に進む喜びに心がほっこり満たされます。

ミッシェル・ブランの人間性がしっかり垣間見れる作品です。

シンプルながら・・・、いやいや実は全くシンプルではなく、表現力ある作品です。
美味しい!!!
 
 
 
Ψミッシェル・ブラン フィナンシェ ショコラ ♪83.3
 
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ナチュールの蜂蜜の代わりに、こちらはココアパウダーが使われています。

香りは甘いミルクチョコレート。
しっとりしながら、じわーっと苦味が広がる心地よさ。

口どけとともにまるでミルクチョコレートそのものかのようなドロッとした質感を覚え、ハッとさせられたりも!!
ショコラティエにしてパティシエである彼の秀作です。
食べれば納得の完成度!!

口当たりのココアの風合いに太さを感じさせるのは卵白や小麦粉の個性でしょうか。
この卵白や小麦粉の風合いが先に消えていき、取り残されたココアの風味が急に軽くなり、苦味をさらっと口の中に広げた瞬間の心地よさ。
そしてその直後に下からポット浮かび上がるアーモンドとバターの風合いが見事です。
いくらかバターとアーモンドパウダー、ココアパウダーの個性が後味で混沌としますが、この陰鬱さもまた魅力的。

チョコレートの風合いに野性味を感じさせたり、いくらかの粒子感を伴うような味わいとはならないものの、その丸みある風合いもまた優しい彼の性格が滲んでいるかのよう。
ナチュールの蜂蜜の魅惑的な表現力には及ばないものの、ショコラテイストの焼き菓子が曇りある風味をまるで感じさせずに最後まで展開しきれるのは凄いこと。

やっぱり実力派の作品は、あるべきものがきっちり表現されています。
素晴らしい!
 
 
Ψミッシェル・ブランのマドレーヌ ♪83.1
 
 
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フィナンシェと異なり、卵黄が使われつ分だけいくらか温かい香りが見られます。
焦がしバターとローストされた砂糖の風合いが、アーモンドパウダーを使用していないにもかかわらず、甘く香ばしくもナッティーで温かな風合いを作ります。
生地はクラストとクラムのメリハリがあり、ここはミッシェル・ブランお得意のフィナンシェよりもカジュアルで親しみやすい個性。
ややドライ気味の生地でありながら、適度なふくらみで食感を重くさせず、マドレーヌだからきっとレモンの果汁が入っているとの思い込みに応えるように果実味ある酸味を口当たりから香らせます・・・が、何かが違う。
悪戯に高揚せず、こっくりとその酸味に厚みを感じさせ、後味ではいくらかフックのある風味として中央にコクを見出し、ラインドライブを描いて下に消えていくこの感覚・・・。
原材料をチェックすれば、なるほどオレンジペースト。
レモンとは異なる中域での性格の主張が楽しめるアレンジです。
ややドライな意地からは、口当たりにバターと甘味、さらにははつらつとした明るい表情で臭みのない玉子の風合いをみせます。
後味には蜂蜜の甘みと酸味がこれらの風味か自然にその個性を示し、軽い高揚感をいざないつつ、甘味をほっこり口内に残します。
オレンジペーストの彩りを加えた甘味を余韻に感じますね。
す余韻。
美味しい!!
いくらか高級感や、トップパティシエの実力を突き付けるものではないものの、小粒でかわいいマドレーヌとして手土産受けすること必死の作品です。
 
 
 
Ψミッシェル・ブランのガレット ブルトンヌ ♪82.0
 
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厚焼きクッキーです。
バターと砂糖が生み出す味わい、そして香りが秀逸。
バターの香ばしいフレーバーは、アーモンドを思わす温かみをも生み出します。
しかし彼の作品にしては、いくらかシンプルさが目立つのか、しかしそれでいながら素材の高さが見えにくい気も・・・。
食感も生地がドライゆえに、粉っぽい崩壊もみられます。
肉肉しさやそこから滲む旨みが少ないんですね。
淡白で単調な味わいです。
ロースト感もいくらか粉っぽさを増長させるかな~。
魅力はやや薄めですが、それもこれも他が凄すぎるからこそ。
高級ブランドにしては無駄なさすぎる内容に終始しすぎなのかもね。
もちろん美味しいんだけどね。
 
 
 
クラブ ミッシェル・ブラン ~ Club Michel Belin