介護のあと、母親が死に、告別式が済んで、四十九日に向けて準備しているところです。

いろいろやることが多く、費用もかかります。

で、今まで、やって来たことをつらつらと書きます。参考になれば、と。


■ 死去まで

我が家の場合、母親は、介護施設に入っていて、そこから病院に入院、死去でした。

だいたい、入院から二ヶ月で死去。介護施設から、夜中に連絡があり、救急搬送するとなり、私はタクシーで駆けつけて、その時点で末期癌を知らされて、入院。

介護では、キーマンを設定されます。第一連絡先を書けと言われますが、これはキーマンになれということで、とにかく、何かあると連絡が来て、判断と決断を要求されます。

実は、翌日に主治医がいる病院に入院して検査の予定でしたが、入院前日の夜に吐血して、搬送先の病院に入院。末期癌を知らされ転院は無理で、ある程度措置をしてからとなり、一月半入院して、主治医の病院に転院。このころに、肺炎に罹っていて、転院後は急に悪化して、肺炎で死去。

癌はなんだかんだと急には死なないんですが、老人が肺炎になると、数時間で死ぬのも結構あります。


この時点で困ったのは、同じく介護状態の父親に母親の死期をどう教えるかでした。

急に言うと、混乱するため、段階を踏んで、少しづつ知らせることに。

まずは、母親の様子をスマホの画像通信で見せて、面会を多くさせ、状況を悟らせるようにして、頃合いを見て、医師から長くないことを知らせてもらいました。

これが功を奏したのか、父親もあまり混乱せず、受け入れてくれました。


■ 入院から死去までの費用と手続き

家族が死去となると、家族内部でも大変ですが、外部でも費用や手続きとかあります。

我が家の場合は、施設から入院して死去だったため、どちらかといえば、手続き面での負担は少ない方でした。

余命が少なく、しかし、いつ死去するか分からない場合、その後の方針決定があります。

まずは、治療方針を決めないといけません。

だいたいは、高度医療や延命治療をして、死なせないようにするか、自然死に近い形にして、積極的な延命をしないかです。

これ、キーマンが即決して、その後に家族の意見をまとめて、最終方針を決める形になります。結構な精神的負担があります。

母親の場合、すでに末期癌で高齢のために、手術や抗癌剤、放射線治療は身体が持たないため、出来ない状態でした。なので、苦痛を抑えて最後を迎える方針にしました。選択肢が少なかったので、家族側は悩む要素が少なかったです。


また、こういう形で入院した場合、退院後にどうするかも決めないといけません。選択肢は、施設に戻すか自宅に引き取るか転院するかです。

入院しても、3ヶ月程度で、上記になります。受け入れ体制を整える時間があるため、最低、一月前には受け入れ先を探さないといけません。しかも、病状が変化しますから、方針もなかなか決まりにくいです。

母親は、ここまで行く前に死去したため、この準備は不要になりましたが、厳しい状況の中、動く必要も出てくるでしょう。


費用面ですが、入院費用はかかります。しかし、入院したあとの、介護施設の費用はかかりませんでした。ただし、これは、特別養護老人ホームだったためかと思われますので、介護保険の範囲にない施設は、介護施設の費用もかかるかもしれません。


また、入院費は、最終医療なので、MAXを覚悟しないといけません。高額医療の上限より上の額になります。一割負担なら、月15万、三割負担なら、月35万はいると思った方がいいです。


■ 死去のすぐあと

死去した後に、すぐに動かないといけないのは、まず、死亡診断書を医師に書いてもらう事です。それから、葬儀社の手配です。死去の後、二時間くらいで動かないといけませんでした。

というのも、遺体は病院では長く預かりません。だから、火葬までの間、遺体を預かってもらわないといけません。葬儀社なら、それらの施設などはありますから、葬儀社に連絡して、遺体の保管はしないといけません。

次に、死亡診断書は葬儀社に渡して、手続きを任せることです。私は、自分で市役所に出したのですが、これでいろいろ困ってます。

死亡診断書を出した後、火葬許可証が必要ですが、自分で出すと、自分で取りにいかないといけません。さらに重要なのは、死亡診断書は10枚くらいはコピーを取っておかないと、いろいろ困ります。うかつにも、コピーせずに提出したため、病院に死亡証明書を発行してもらう事になり、費用も時間もかかってます。葬儀社に任せればやってくれます。

死亡診断書がないと、その後の手続きが止まるので、死亡診断書のコピーは必須です。


■ 葬儀の準備

死去した後、すぐに葬儀の準備をします。

ただ、死去から葬儀までの時間は、最近では幅があります。

母親は、死去の10日後が通夜でした。

昔は、死んだ日の夜が通夜で、翌日が告別式が当たり前でした。しかし今は、葬儀場の手配などがあり、時間がかかるため、すぐにやれる地域は少なくなってます。

昔は、葬儀は自宅で近所の住民がやってくれるものでした。私も、祖父母はそうでした。しかし、周辺住民との繋がりが減り、若手も減り、そもそも葬儀を執り行うだけの自治体組織がすでに無い場合が多いので、葬儀社主体になることが多いでしょう。

今回は、わが家もそうしました。


葬儀をする場合、まず、どういう規模でやるかを決める必要があります。

ここを最初に決めないと、いろんなところが決まりません。家族で、すぐに決定する必要があります。

我が家は、家族葬にしました。


そして、決めたら、連絡する範囲を決めて連絡します。

ここも、なかなか判断が難しいですが、だいたいは以下かと思います。

① 親族

② 近所、友人

③ 関係者


ただ、これを自分でやるのは、なかなか大変でしょう。葬儀社も把握はしてないです。

なんで、ここは、キーマンを選びます。


周囲には、顔の広い人はいるもので、その人に連絡をたのみます。

私は、以下でした。

① 親族

父方の叔父、叔母

母の実家の当主


母は嫁に来たのですから、叔父、叔母へはこちらから直接連絡しないといけません。

本来は、父がやることですが、現状は私が家を回してるので、私の担当です。

母の実家は、母の甥が継いでますが、こちらは母の姉妹も含めて葬儀出席する人などまとめて貰いました。


② 近所、友人

ここは、叔父の嫁、つまり、私から見れば義理の叔母が顔が広いので、お願いしました。町会長さんとかにも伝えてくれたので、だいたいは伝わります。


③ 関係者

こちらは、いない感じです。

両親ともに、引退していて、私もすでに会社をやめてますから、伝えるところもない。実際は、私との付き合いがある業者はいますが、こちらは、後で会ったとき話して、線香をあげると言えば、お願いする程度です。


連絡の後、葬儀社と葬儀をどうするか、決めます。

ただし、親族への連絡は、葬儀社との協議を待たずにやります。

私は、病院で遺体に会い、死亡診断書をもらい、葬儀社に連絡、葬儀社に遺体を預かって貰い、家族葬にすると決め、自宅に戻ってすぐに親族に連絡しました。葬儀関係は、決まったらすぐに伝えますと。


ここで、葬儀の規模が決まってないと、連絡しても親族もどうしていいか分からないですし、葬儀社との話も進みにくいので、意外と優先順位が高いのです。


なお、葬儀社の選定ですが、まず、葬儀には互助会というのがあるのを知って置くべきです。

互助会は、葬儀があった場合に備えて、あらかじめ会費を払って入会する組織です。会費は、将来の葬儀費用の積立になります。いまの葬儀社は、前身が互助会な場合が多々あります。親は入会していたが、子供は知らなかったとかありがちなんで、把握しておきましょう。私も、まさか、病院で遺体と会った後すぐに葬儀社に連絡するとは思ってなく、自宅に戻って確認する隙も無く、依頼しました。幸い、当たってましたが。


■ 葬儀に際して決めることと費用

葬儀社が決まったら、どういう葬儀にするかを、葬儀社と決めます。大体は、以下です。


① 葬儀場の決定

どこで葬儀をあげるかです。

選択肢は、大体は三つです。

・自宅

自宅で葬儀を上げます。家族葬くらいなら、極端な負担になりませんが、斎場と比べると、やらないといけないことが多く、人手不足や困ることは多いです。自宅に遺体を安置して、焼香できるようにするなど、そこそこ広い家でないと難しいです。

また、火葬は当然、自宅ではできません。

・民間の斎場

斎場のため、火葬や遺体の保管、遺族の会食の施設など、一式が揃っています。進行はスムーズにいきますが、費用はかかります。

・自治体の斎場

区市町村で斎場を持っている自治体もあります。運営の状況は、自治体によりますが、だいたいは、民間より安価にすみます。しかし、待たされる場合が多いでしょう。私も自治体の斎場でやりましたが、10日後が通夜になりました。時間を置きたくないなら、民間斎場になるかと思います。


② 葬儀までにやること〜その1

遺体を保管して貰ってから、通夜までにやることもあります。エンバーミングとか言うようですが、遺体を綺麗に保つ措置です。

昔は、通夜も告別式もすぐでしたが、時間があく最近は、遺体の状態の維持も重要です。

また、湯灌と言って、遺体を洗ってからお棺に入れるのは昔からの風習で、最低、これはやることが多いです。さらに、湯灌は、遺族が参加するのが伝統で、顔を拭いてあげたり、遺体をお棺に入れたりします。昔は、通夜に自宅で家族がやるから当たり前だったですが、最近は家族は参加しないで、葬儀社に任せるのも可能みたいです。我が家では、私が代表でやりました。喪服は着ていかなかったです。


遺影用の写真も必要です。我が家は、母親がきちんとしたものを用意してくれてました。ないなら、免許証あたりから作る必要があります。これ、最初に葬儀社に求められますから、打ち合わせ前に探しておいたほうがいいでしょう。


通夜や告別式でも、使うものの決定もあります。祭壇に飾る花、棺、死者に着せる服などです。正直、値段は天井知らずなので、遺族判断でしょう。


③ 葬儀までにやること〜その2

葬儀までには、葬儀に参列してくれる人への調整もあります。その1では、花が必要と書きましたが、おおざっぱに、最初から喪主が用意する棺まわりの花と、個人が贈る花があります。

我が家では、棺周りの他、喪主、子供・孫一同を用意しました。ここまでは、私の一存で決められるんですが、他は、贈りたい人が出してくれるのもあります。特に、近い親戚は贈ることが多いですが、その調整も通夜の前までにやります。だいたいは、葬儀社の連絡先を教えて注文して貰うか、花を出すからと言われてこちらが注文するかです。

今回は両方ありました。


③ 葬儀までにやること〜その3

香典を貰いますが、同時に香典返しの用意が必要です。一般に、香典は半返しが相場です。つまり貰った金額の半分程度のものを返します。

ただし、葬儀までに用意するのは、参列してくれた方に、その場で持ち帰りいただくものです。


香典返しは、もらった以上の物を返さないのが無難です。正直、返されたほうが困ります。

以前、会社で、有志一同ということで、一人2000円を出したのですが、それ以上のがかえって来て、困りました。こういう場合は、もらいっぱなしにするか、礼状の一つあたりでいいと思います。私なら、メール一通でも十二分ですし。


香典の相場ですが、一般的な葬儀なら、1万円を基準に考えればいいと思います。

だいたいは、親族でないなら、参列するなら一万円です。なんで、五千円あたりの香典返しを用意して、その場で渡します。葬儀社は、あらかじめ用意して、配った数だけ請求とかしてくれます。


一万円の上は、三万円、五万円、十万円、さらにそれ以上になりますが、こちらは四十九日の後にあらためて返します。葬儀社に現品や、選択できるギフトなど揃ってますから、あまり困りません。

十万円の上は、二十万でしょうが、ここからは、個別対応ですね。


④ お布施

葬儀の準備でも、早めにしないといけないのは、お寺の手配です。

③までは、実は最初の葬儀社との打ち合わせで決まりました。

次に、お寺さんとの話ですが、葬儀から早い段階で話さないといけません。

私は、葬儀社との打ち合わせの翌日にお寺さんに行って、打ち合わせしました。

意外だったのは、最初に故人のエピソードを聞かれたことで、通夜の時に私が話した内容を盛り込んで話してをしたり、戒名の参考にしたりしてました。なんで、お寺さんに行く前にエピソードをまとめるといいかと思います。


肝心のお布施ですが、こちらも天井知らずです。

我が家の場合、寺格が高い方なので、布施も高い方かと思います、


ただ、重要なのは、はっきり聞くことです。

こういってはなんですが、向こうはプロだなと。こちらが話さなくても、しっかり金額を伝えてくれました。


⑤ 細かい準備

細かいというか、自分たちで考えないといけないような内容です。

葬儀の儀式面で気づきにくいのは、結構、葬儀社が教えてくれました。

ただ、それ以外の、常識と言われたらその通りだけど、家族が死んですぐに気がまわらないよ、って部分です。


・喪服は着れるか?

あんまり使わないんで、体型の変化でどうなるかわからないんで、袖は通さないとダメです。

また、男なら、新しいワイシャツがあるか。会社で使ってるワイシャツで大丈夫でしょうか。

黒い皮靴は、あるでしょうか。通勤でへたれたやつでは、さすがに。

わたしは、喪服はありましたが、ワイシャツ、黒ネクタイ、靴、黒靴下と通販で買いましたが、バッグを忘れてました。


・親の喪服は?

親が元気ならいいですが、身体が不自由なら、なおさら喪服が着れるかわかりません。着れないなら、葬儀社に相談して、レンタルとか考えないとです。

わたしの父親も、身体に問題があるため、2サイズ大きい私のワイシャツを使いました。ダボダボでしたが、着せるのはやりやすいし、身体の状態はみな知ってるから、問題ないでしょうし。


・車椅子

歩けない参列者も多いと覚悟がいります。斎場に車椅子があるか確認し、ないなら、運ばないといけないので、意外と大変です。


・車

どうやって、斎場まであつまるかです。運転できない老人も多いので、送迎面も考えないといけません。


■ 葬儀費用

さて、では実際の葬儀費用を告別式までで、どのくらいかかったかですが。

おおざっぱに、3つに分けます。


① 葬儀社への費用

遺体の保管

湯灌

遺体の移動

通夜、告別式の人件費

死装束

香典返し(当日のみ)

遺影、仮位牌、祭壇

など


死装束、棺などは、だいたい下から二番目

金額 約70万

ただし、互助会で入っていたため、入ってなければ、100万くらい。


② 斎場費用

遺体保管費

会場費 50人×2日

火葬費

飲食会場費

飲食費


飲食費以外 4万程度

飲食費  5万程度


飲食費以外の費用は、非常に安い

一桁上でも普通

自治体の斎場を使ったため


③ お寺さん関連

戒名

布施

車代

御膳代


33万

戒名と布施(通夜、告別式)で30万


ざっくり、現状で、110万くらい

今後、合わせて、150万くらいかと


ただし、香典もあるので、実際の支出はもう少し安い。


正直、互助会費を払っていて、市の斎場がすごく安価なんで、全体的に費用がかかってない。


■ おしらせ

なんか、すごい長文になりました。

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