『ちょっとエエかな。。。』
昨日の朝、僕を含めた同じセクションの社員3名が上司に呼ばれた。
職場の階段の踊り場。
上司が、少し間を置いて言葉を選びならがら、重い口を開いた。
『実はね、先週の金曜日にFの奥さんが亡くなったんや。。死因等の詳細は不明なんやけどね。。。』
『えっ。。。。』
僕たち一同は、言葉が出なかった。。。
F君というのは、ちょうど一年前までうちのセクションにいた会社の後輩である。。
『本日の軍曹ランチ』のブログでも度々一緒に昼飯を食べに行く後輩であった。
『この前、確か赤ちゃん生まれたばっかりですよね。。。なんで。。。』
僕は、ようやく口を開いた。
スマホのLINEの彼の写真がいつの間にか赤ちゃんの写真になっていたので知ったのである。
とても可愛い赤ちゃんの写真だった。
『死因は分からへんねんけど、金曜日の夜帰宅してたら亡くなっていたらしい。。。』
そこにいた一同、何も言えなかった。。。
『とりあえず、家族葬らしいねんけど、お通夜に行けるんやったら、行ったってくれるか。。』
僕たちの心は重い空気で潰されそうなった。。。
F君は2年ほど前に結婚した。挙式がハワイだったので結婚式に僕たちは参加できなかったが、その準備に追われながらも幸せそうな彼の顔を思い出した。
『休日は、結婚式の打ち合わせなんかでメッチャ忙しいんですよ~』
あの満面の笑み。幸せで輝いていた。。
新居のマンションも購入し、昨年末に新しい家族が出来て、幸せ街道を歩いていたはずなのに。。。
夜8時、お通夜の会場に行く事になった。
僕は一旦家に戻り、服装を整えて愛車に後輩を乗せて会場に向かった。
続々と会社の他部署の親しくしていた社員達が集まってきた。
会場に入ると、記帳場所の横で、F君が参列者を出迎えてくれた。
その置に祭壇。笑顔の奥さんの写真が飾られていた。
僕たちは、祭壇前までいくと、お焼香をする列に並んだ。
斎場に響き渡る赤ちゃんの泣き声。
その泣き声が、更に参列者の悲しみを増幅させた。
お焼香を終え、親族に一礼すると、記帳する為に記帳場所の列に並んだ。
F君と先に記帳を終えたうちの上司が泣きならが声にならない声で話していた。
僕も記帳を終えると、先輩と共にF君の元に行った。
正直、かける言葉も見当たらなかった。。
『急な事でびっくりしたよ。。。何があったん?』 と先輩が声をかけた。
『金曜日の晩に仕事から帰ったら、冷たくなってて。。。。頑張ります、頑張ります。。。』
F君はこみ上げる悲しみを必死に押し殺しながら、でも涙ながらに話してくれた。。
F君のその姿に僕たちの目にも涙が溢れた。
斎場の外で僕たちは、暫く悲しみに包まれた斎場を虚ろな目で眺めていた。。
『一番無念だったのは、奥さんだろうな。。。これからだったのにな。。赤ちゃんの成長、見たかったろうな。。。誰にも看取られず、寂しかったろうな。。悔しかったろうな。。。それにしても、28歳って若すぎるよな。。。。』
やるせない気持ちが、僕の心を締め付けた。
確かに、人は生まれた瞬間から、『死』の時限爆弾のタイマーが動き出す。
それは、全ての生き物平等に。。。
だから『運命だったんだから仕方ないだろう』っていう人もいるかもしれない。
そうかもしれない。
でも、こんな幸せを足元からすくい奪うような『運命』って何なんだろうか。
命を失った者も、残された者も、本当にやるせない。
もちろん、このF君のケースに限ったものではない。
他にもこのような『運命』に翻弄された人達はたくさんいるだろう。
だから、もし、神様ってものがいるのなら、聞いてみたいもんだ。
『運命』ってなんだよ。『命』ってなんなんだよ。
失って良い命があるとは言わない。
しかし、幸せを築く為に努力するまっとうな者の命を奪って良いのか!
不幸にする意味があるのか。
せめて、その苦しい局面に立っている彼らにだけでも分かるように説明してやってくれ!
『命』や『幸せ』を奪っておきながら、だんまりのままじゃ卑怯・卑劣だぜ!!
『頑張ります』と涙ながらに応えてくれたF君、本当に頑張って欲しい。
立ち直るのに時間はかかるだろうが、否もしかしたら心の傷は一生消えないだろうけれども、F君と奥さんの愛の結晶である赤ちゃんを立派に守り育てていって欲しい。
そしてその子が大きくなったら、命懸けで産んでくれた母親の事を伝えてあげて欲しい。
無念のままに旅立ってしまった奥さんを安心させてあげてね。
きっと、君なら出来る。俺は、信じている。
すいません。昨日の急な訃報で、悲しくやるせない気持ちを吐き出したくて、暗く重い内容になってしまいました。
長々と申し訳ございませんでした。
最後にF君の奥さんにご冥福をお祈り申し上げます。