週末の出勤日は決まって『相棒』と【リアルな戦場】に出撃する。
『相棒』は無口で、何も語ってくれない。
『相棒』といってもあの人気ドラマではない。
『相棒』とは、愛機・チェイサーである。人呼んで”湾岸の白い鮫”(そう呼んだヤツ呼んでこい!!)
彼との付き合いはかれこれ13年になる。社会人1年目の秋から僕の相棒として共に戦ってきた戦友である。
僕の人には見せない喜怒哀楽を黙って受けとめ、優しく包み込んでくれてきた、クールなヤツ。
家を玄関を出て、外気温の低さに身震いしながら、僕は『相棒』の待つ車庫へと歩き始めた。
ここ最近は、【リアルな戦場】であまり思わしくない事が続いていた為、知らず知らず眉間にシワを寄せる事が多かった。
車庫に歩いて行く間もそんなシケた面をしていたように思う。
しかし、車庫の重いシャッターを開け、『相棒』が顔を出した時、そのシケタ面は少し和らいだ。
13年の月日を経ても尚、新車並みの光沢を輝きを放つ『相棒』の姿にしばしうっとりとしてしまう。
ディーラーの営業マンや整備士、そして友人ですら、『相棒』のその美しさに感嘆するほどだ。
僕は『相棒』のドアを開け、操縦席のシートに身を沈めると、一息ついてキーを差し込みゆっくり回す。
低い鮫の慟哭が車庫内に轟き、『相棒』が目を覚ます。それは「オハヨー、軍曹」と言っているかのようだった。
アクセルをゆっくりと踏み、まだ夜の明けきれぬ早朝の街を走り始めた。
数分走ると、国道は次第に高架を登り、その先の高速道路という「アスファルトの大空」へと繋がっていく。
数少ないETCレーンを我先にと他車と奪い合い通過すると、僕は更にアクセルを踏み込み、『相棒』は雄叫びを上げながらストレートコースを突き進む。
カーステレオから流れる『FM802』の音楽をBGMに、僕と『相棒』は『アスファルトの大空』を攻め始める。
ストレートもカーブも激しく疾駆していく。(遅いけど・・・・)
時折、覆面パトカーに「ロックオン」されていないかをルームミラーでチェックし、トロトロ走る車をタイミングを計りオーバーテイク!!
「撃墜完了」とつぶやきながら、悦に浸る。
そうこうしている内に、およそ10分ほどの『アスファルトの空の旅』は終わり、再び下道へと下降する。
勤務する営業所付近になると、会社の連中に遭遇しないように慎重に”道”を選び、いつも駐車する1日¥700のコインパーキングを目指す。と、その時だった!!
「満車」の赤い文字が僕の目を射たのであった!! あ痛~!!
「マジかよ~。」僕の悲痛な声が、車内に響きわたった・・・。仕方なく、その近くにある1日¥900の別のコインパーキングに停めるハメに・・・・。そこは、いわくつきのパーキングだった。マンションと民家の間にあるのだが、頻繁に車上荒しがある場所だったのである・・。僕も被害にあった車を何度か目撃している・・・。しかし、犯行がおそらく深夜と推測され、また『相棒』に警報装置も付いている事もあり、イヤイヤそこに停める事に・・・。
「仕事終わらせたらすぐ戻ってくるからな!!」と相棒に別れを告げ、僕は【リアルな戦場】に赴くのでありました。
※『相棒』の詳細については、また別の機会にアップしますねん!!

