打診 | 椿五十朗

椿五十朗

雇われプロデュサーの覚書

 

  大分前に「寺島しのぶ」さん主演の映画に携わり、

 

PDの方の借金まみれになった悲惨な話を飲みながら聞いていたのだが、

 

その時のADが監督をやられるようになったそうで、何処から聞いたのか私にオファーが来た。

 

カンヌ映画祭に出品する映画のエンドロール曲なのだが、簡単な打ち合わせをしたところ、

 

「堀口さんに全て任せる」との事で、「重荷にならない程度に引き受ける」と打診。

 

「9月をテーマ」にした残暑の残る都会の虚無感を出して欲しいと。

 

作曲、作詞、アレンジ、ディレクトを担当する。

 

名前もクレジットされるそうだ。

 

高校生の頃、9月になると学校をエスケープして日比谷公園で日中を過ごして、

 

16時に高校へ行ったふりをして帰ったものである。

 

そんな感じの曲を作ってみるかな。

 

少なからずギャラももらえる訳で、自分の医療費やPHANTOMのライブの足しにもなる。

 

借り歌は、Miccaちゃんと彩香ちゃんにお願いして、どちらが上手とかではなく

 

曲に合うか、合わないかなんだな。美咲ちゃんも歌ってもらいたい気がするが、

 

事務所に所属している分、契約が厄介であるから、今回は2人にお願いする。

 

うまく行けば2人のうちのどちらかの声がカンヌで聞けることになるわけで、

 

いきなりの世界デビューってな感じかな(笑)

 

ただ出品映画の数も多いから、映画の内容にもよるが、

 

ダメ元であることは間違いない。