エビリファイ・デポ剤+ラポール(死別体験を悼む)で不安発作が消えてきた
前の「病院~施設」で頻回の入院を認めた女性。
それでも主剤はエビリファイ・デポ剤単剤であった。単剤を維持するのは、その病院のえらいところであるが、「ラポール(精神障害=PTSDのみという確信の共有)」が形成できなければ、新規向精神薬の真の治療効果は引き出せない。
トラウマまみれの、その患者の「複合トラウマ」のかなりの部分を占めるのは死別体験トラウマである。「愛しい人たちの死を悼め」と外傷体験の受容を柱にしながら、エビリファイ・デポ剤を続けて、入院をしないで一年半。
診察で施設職員が「最近、(不安)発作がなくなってきたねえ」と言った。
(え?そんなのあったの?)
施設も慣れているから、多少の精神症状はあるでしょと、私にはあえて言わないことが多い。
扱いづらいが、エビリファイ(+ラポール)が「精神障害=PTSDのみ」に使えるとわかるのは、いいことだ。
最強の治療アイテムである新規向精神薬単剤を「精神障害=PTSDのみ」に使うことをあきらめ、薬物治療で得られる「無意識(心)」に関する知見を無視するなら、精神科治療は全て「不治」である。
こんなもので治るなら、馬のションベンでも飲ませておけばいい。