トラウマで歪んだ認知機能をラポール(PTSD以外完全否定)をベースに簡易な診察で言葉で治す | 精神科医ブログ、長崎広島原爆・福島原発・コロナ・第二次大戦・北朝鮮ロシア核・児童虐待・DV・レイプ複雑性PTSDの薬物療法

トラウマで歪んだ認知機能をラポール(PTSD以外完全否定)をベースに簡易な診察で言葉で治す

施設と病院を行ったり来たりして、自傷(自傷はPTSDの証拠)も頻繁に見られた初老の女性。遺伝病「躁鬱病(双極性障害)」のレッテルが貼られていた。外傷的生育歴は詳細に検討する時間的な余裕はなかった。

昨年暮れの私の初診察では既に施設適応性を失っていたが、入院までにワンチャンス(自力で落ち着きなさい)あげると説明。

年が明けてもう限界と言うので入院のために受診したが、「入院」の一言が出てこない。様々なヒントを出しても駄目。最後に答えを言って入院させたが、「薬なんかより、言葉が大事だ!」と強調。患者は「今までの先生で、そんなに強く言ってくれる先生はいませんでした。」
入院一週間の診察で、「私は治療のために入院したんです!」入院時の落ち着かない様子とは見違えるほど晴れ晴れと明るい様子でしゃべった。

「認知行動療法」とは「患者は全て無意識の病PTSDである」という前提(無意識と無意識の交流であるラポール形成)で、診察の中に自然に練り込まれていくものである。その後で薬が処方されるとどんな現象が起きるか。新薬の本当の作用はPTSD患者にどう現れるか。世界で私だけが知っている。

必ずしもトラウマにダイレクトに関わらなくても治療できる。それが次の本(精神医学の終着点は再始発点である~ヒロシマで見つけた無意識の病PTSDの薬物療法:仮題)のテーマである。