Sアテナの小説ブログ

どうも、Sアテナです。


このブログではmixiで宣言した小説をできれば毎週更新していこうかと考えて作ったブログです。


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第3章 クラン・ザ・エレメント 3反発-3

「好きだったのに――――  

「え? 何?」  

 フレイには聞こえなかったのか片耳をメニアンに近づける。 

―――な、何でもない! とにかく私はあなたと縁を切る!」 

 メニアンはフレイに指を指す。突然の出来事だった為にフレイは唖然とするしかなかった。 

「は? なんだよ、それ!? クランはどうするんだよ?」 

「知らない! クランなんて知らない!」 

 メニアンの目には大粒の涙がぽろぽろ流れていた。フレイはそれを眺める事しか出来なかった。メニアンはそれを隠すように両手で顔を隠し、フレイに背を向ける 

「メニアン――――― 

「じゃあ―――

   メニアンはそのまま走って行った。止めても無駄だろうと判断したフレイは引き止める事はしなかった。

「メニアン」  

 フレイはメニアンが見えなくなるまで見届けた。もしかしたら止めるべきと思ったが、もう後の祭―――フレイは寮に向かうことにした。 

 

 

(確かに隠し事はいけないかも知れないけど、あそこまで泣かなくても――― 

 寮の昇降口に着いたフレイ。 

 寮ではスリッパで行動しなければならないので、靴箱にフレイは靴を入れる。隣がメニアンの靴箱だという事に気づいたフレイは少しだけ後ずさった。

  「あら、随分遅い帰宅じゃなくって?」  

 スリッパに履き変えたフレイは風呂上がりのセレナーデと遭遇した。音符模様の可愛らしいパジャマを着ていた。 

「風呂上がりはツインテールじゃないんだな」 

 髪を結んでいなかったセレナーデにフレイは突っ込む。彼女は髪を整えながら強気に答える。 

「あら、ツインテールの方がよかったかしら? フレイさんは物好きな人ね」 

 セレナーデはいつもの腕組みをする。 

「そうだね。俺はツインテールの方がいいよ」 

 フレイは頭をかいた。少し照れているように見える。 

「あら、ありがとうございますわ」 

 おほほ―――セレナーデはいつもの高笑いをする。 

「じゃあ、俺は部屋に戻るよ―――― 

 フレイが寮室に戻ろうとした時、セレナーデによって止められる。 

―――お待ちになって、フレイさん?」

   いきなり手を握られたフレイビクッと反応する。  

(今日二回目か―――

   そう思いつつも、フレイはセレナーデの用件を聞く。  

「な、何?」  

「そういえばお約束しましたよね―――初音凜について話すと――― 

 フレイは記憶の中を辿る。そういえばそんな事言ってたかな。

  「って事は?」  

 フレイはセレナーデに握られた手を見た。嫌な予感がする。 

「今すぐ私の部屋に行きますわよ!」 

 セレナーデは乱暴に手を引っ張った。フレイはつられて倒れそうになるが、足をけんけんさせる事で体制を立て直す。

  「ちょ―――待てって―――  

 ガッチリと手が握られている為に逃げ出すことが出来なかった 

「私のお部屋に来なさい!!」

 

 

 

第3章 クラン・ザ・エレメント 3反発-2

 「午後の授業も応えるなあ」  

 放課後、フレイは自分の席で肩をゆっくりと回した。肩は凝っていないはずだが、所々痛い。 

「しっかし、誰もいないな」 

 今週最後の授業、道徳で課題がでた。『あなたが魔法使いになりたい理由』と言うのがテーマだ。道徳で出る課題なのだろうかとフレイは思いつつも、来週までだし土日で済ませようと考えていたが、クランを含め、皆が寮に急いで戻っていた事にフレイは驚いていた。 

「一人か?」 

 教室のドアに手を付いて一人の男が寄り掛かっていた。フレイは彼を知っている。 

「セガルク先輩!」 

「クランはどうだい? 一緒になれたか?」 

 セガルクは話ながらフレイに近寄る。 

「成れましたね――― 

「どうした? 浮かない顔して――――嬉しくないのか?」 

 フレイは席から立ち上がった 

「エレメンタル・スリーに条件付きですから」 

 セガルクはフレイの様子を見つつ、彼の気持ちを察した。 

「前に同じ理由で同級生に相談されたよ。試合には必ず勝たなきゃいけない、でも勝つ為にはどうしたら良いか―――ってね」 

「え?」 

「特待生―――だろ? フレイ君は――― 

 セガルクは腰に手を当てた。射を疲れたフレイは潔く認めた。 

「はい――― 

「やっぱりね。君は他の人とは違う何かを備えていた。それが何かは知らないが、君は不思議な人だよ」 

―――試合で勝つ為にはどうすればいいんですか?」 

「二年前にも同じ質問されたよ。アイツは昔はそんな奴だった」 

「アイツって?」 

「ローズだよ。知ってるだろう?」 

「ローズ先輩も同じ悩みを持っていた――― 

「驚いたか?」 

 顔を覗き込むセガルク。フレイは照れて人差し指で顔をかく。 

「ですね。正直、先輩が特待生かと思いましたよ」 

「そんなもんだ。四天王のリーダーなんて皆同じ感じだよ。だがローズは何か違う―――三年間一緒に過ごしたけど、未だに何も掴めていない――― 

 セガルクは少し顔を緩ませ教室のドアに向かった。 

「エレメント・スィスク楽しみにしてるよ。俺達四天王は最後で君達とは戦えないが、応援してるよ」 

「はい!」 

 フレイは深々と一礼した。 

「俺の努力を踏みにじる様な結果になったら許さねえからな」 

 セガルクはニヤリと笑う。 

(努力? 何のことだ?) 

 頭を捻り考えるがフレイの頭には答えらしき物は浮かばない。 

「じゃあな!」 

 セガルクは軽く手を振り、教室を出た。フレイはまた一礼する 

「努力って何だろう?」 

 フレイは声に出してみるがやっぱり出なかった。 

 フレイは荷物を纏め、教室を出た。教室のドアに腕を組んだ少し背の高い学年が寄り掛かっていた。 

「め、メニアン―――!」 

 メニアンはドアに寄り掛かり、盗み聞きしていたようだ。 

――――ごめんなさい。全部聞いた」 

「きいたか―――― 

 頭を軽く下げるメニアンにフレイは片手をポケットにしまい込む。 

「特待生―――だったんだね、フレイって。道理で学園長に頻繁に呼ばれてたんだ」 

「騙すつもりはなかったんだ――――でも、特待生と聞けば避けられるって思ったから―――

  「バッカじゃないの!?」  

 いきなり怒鳴るメニアン。目には小さく涙があった。 

「私は隠し事嫌いって自己紹介で言ったじゃん!」 

「え?」 

(じ、自己紹介?) 

「誰が特待生なんて私には関係ない。私はフレイが隠し事した事に怒ってるの!」 

「隠し事――――――」

 メニアンはいつものように仁王立ちをする。そしてフレイに向けて何かを呟いた。  

第3章 クラン・ザ・エレメント 3反発-1

 

午前の授業が終わるとメニアンはフレイの手を引っ張り、食堂へと連れていった。残されたマナ達は後から二人を監視するようについていく。

  「なんだよ、メニアン」  

 てくてく歩いていくメニアンにフレイは疑問を抱く。しかし、振り払い止めることはしなかった 

「いいから、奥の席に座るわよ 」 

 手を繋いだ状態で、二人は寮食を手にする。すれ違う人間が彼等を見るがメニアンだけは気にしなかった。フレイはと言うと顔を赤くしていた。 

「で、用件はなんだよ」 

 食堂の一番奥の席に座り落ち着いたフレイはお昼のカレーを口にしながら話す。 

「あんた、私達に何か隠してない?」 

 フレイの手が一瞬止まった。フレイはまだ、特待生と言うことを誰にも口にしていない。特待生ならばあらゆる恩恵が受けられるし、生活が楽になるはずだ。メニアン自信も特待生は狙っていた。 

「べ、別に何も隠してないさ」 

 フレイは食べることでそれを隠した。しかし、鋭い視線を送るメニアンはそれがわかっていた。 

「隠してる。私にはわかる。フレイには何かあるってわかる」 

 メニアンはフレイをじっと見つめる。フレイは視線を反らすことなくメニアンの目を見つめる。 

「確かにメニアンの言うように俺は皆に隠している事がある。けど俺には言えない理由がある。」 

「どうして? 私達同じクランになれたじゃない!」 

 フレイは手を止め少し悩んだ。話すべきか話さないべきか。 

「俺は―――エレメンタル・スリーには勝たなきゃいけない理由がある」 

「え?」 

「俺はエレメンタル・スリーでは負けられないんだ」 

 衝撃告白にメニアンは握ったスプーンをゆっくりと置く。 

「なんで?」 

 フレイは予想道理と言わんばかりにニヤつく。 

「その理由は言えない」 

「そこが知りたいのよ」 

「でも、わかってほしい。俺は試合で負ける事を許されてない」 

「なんで? なんで負けちゃいけないの?」 

 メニアンは激しく問い詰める。フレイは特待生を言ってはいけないルール出はないが、それが理由だとわかってしまえば嫌われる、フレイはそう考えていた。 

「だから――― 

 フレイが言葉に詰まるとメニアンの後に人影が表れた。その人影は巻き髪をツインに訳、巨大な胸の持ち主だった。 

「私にいい考えがありますわ」

 セレナーデはメニアンの肩に手を優しく乗せる。

「セレナーデ―――?」

 いち早く気づいたのはメニアンの正面にいたフレイだった。セレナーデ以外にもマナとライラもいた。

「リーダーはフレイさんで固定してリーダーの役割をメニアンさんがすれば良いのではないですか? そうすればリーダーはフレイさんのままですし、メニアンさんもちゃんとリーダーの役割が出来ますし」

「それはいいわね!」

  メニアンは両手をポンと鳴らす。そして付け加えた。

 「あれ? でもセレナーデはどうするの?」

 メニアンは首をぐるりと回転させてセレナーデと視線を合わせる。

 「私は大丈夫です。メニアンさんがリーダー役であるからこそ、ですわ」

 お得意の腕組みで胸をアピールする。だがこれが彼女の平常時の状態だ。

 「それでいい? フレイ」

 メニアンはフレイに同意を求める。フレイは小さく頷いた。

「俺は隠し事をしているからな。何もないメニアンがリーダーになってくれたらクランがいい方向に進む気がする」

「でもフレイはあくまでもリーダーですから、決定権があることを忘れないでくださいよ?」

  いつの間にかフレイの隣にいたマナはフレイに身を寄せる。

「そうね。フレイはただ私の意見にハイと言えばいいのよ!」

 メニアンは誇らしげに言った。フレイは少し苦笑いしつつ、大きく頷く。

「そうだな。とにかく今はメシを食おうぜ」

 フレイは再びカレーを掬い口に運ぶ。

「わかったわ―――って私がリーダーなのに!」

  メニアンの反応にフレイは少し笑った。

 

 
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