裏車掌です。
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はじめに
日本の経済の根幹を支える中小企業。その数は336万社に達し、全企業の99.7%を占めています。
しかし、中小企業の世界は一様ではなく、経営が順調な優良企業と、存続が自己目的化したゾンビ企業とに二分される現実があります。
水野由香里氏の著書『優良企業とゾンビ企業 中小企業の分かれ道』は、この中小企業の現状を深く掘り下げ、優良企業とゾンビ企業の違いや、どのようにして優良企業へと変貌できるのかを分析しています。
中小企業の定義と現状
本書の第1章では、中小企業の法律的定義やその歴史的背景が示されます。
中小企業政策は1960年代からの合理化の流れを経て、近年では創造性を重視する方向へとシフトしています。
中堅企業と中小企業の違い、またそれぞれの特徴についても詳しく述べられています。
著者は、OECDの調査データを参照しながら、日本の中小企業が直面する課題を明らかにし、単なる平均値での分析ではなく、各企業の実態に基づいた議論の必要性を訴えています。
企業の偏差値分析
本書の核心部分は、企業を偏差値という軸で分類し、その特徴を明らかにする点です。
第3章では、中小企業に関するインタビュー調査の概要と、その分析方法が説明されます。
著者は、500社以上のインタビューを通じて、企業の実態を多角的に捉えています。
ゾンビ企業の特徴
第4章では、偏差値が低い企業群の特徴が分析されます。
これらの企業は、他社への依存度が高く、戦略的思考が欠如していることが共通しています。
また、競争力の欠如や非効率性、組織の機能不全などが影響し、存続すら危ぶまれる状況です。
著者は、これらの特徴から、企業が直面する課題を明確にし、改善の余地を探ります。
優良企業の特徴
対照的に、第5章から第8章では、偏差値が高い企業群の特徴が詳述されます。
優良企業は、経営者の経験や覚悟、戦略的な思考を持ち、組織としての成長を追求しています。
特に、経営者のリーダーシップ、組織文化、業務の効率性、人材育成に関する具体的な事例が紹介されます。
また、顧客や取引先との関係性を重視し、質の高いネットワークを構築している点も見逃せません。
中小企業の未来
最後に、第9章では中小企業が今後どうあるべきか、どう生きるべきかについての考察がなされます。
著者は、中小企業経営者へのメッセージとして、変革の必要性とその実現方法を提案します。
経営者自身が意識を変え、戦略を練り直すことで、企業の未来を切り開く可能性があることを強調しています。
おわりに
『優良企業とゾンビ企業 中小企業の分かれ道』は、中小企業の経営者だけでなく、これから起業を目指す方や、自社の未来に不安を感じているビジネスパーソンにも、大きな示唆を与えてくれる一冊です。
中小企業が抱える課題や、成功するための要因を理解することで、経営者自身の成長にもつながるでしょう。


