こんにちは。
薬局薬剤師のやさしい漢方相談へようこそ。
このところ、例年になく気温差が激しいですね。
いきなり夏日になったかと思うと、急に寒くなったり…。
薬局に来店される患者様からも
「着る洋服に困る。」
「今年は寒暖差についていけなくて、なんだか疲れる。」
そんな声を多く聞きます。
気温差は、思っている以上に体調に影響を及ぼします。
ただでさえ明るいニュースが少ない昨今、心身ともに疲れやすくなっていると思います。
ご自身の体力を過信せずに、しっかりと心身のメンテナンスを行ってくださいね。
さて、今日のお話は、ここ最近寝つきの悪さが気になっている患者様のお話しです。
この患者様とは、普段から「かかりつけ薬剤師」として関わっています。
患者様が服薬されている処方薬だけではなく、生活環境やお仕事の状況も把握しています。
ご自身の身体の状況もしっかりと把握されていて、投薬していて私自身勉強になる事が多い方です。
少し前の事、いつもの様にその患者様の対応をしていた際、冒頭の言葉がありました。
「出来れば眠剤は飲みたくないんだけど…。」
定期薬には眠剤の処方はありません。
お話を聞いてみると…
「このところ、少し寝つきの悪さが気になる」
「眠剤を飲んだ方が眠れるのかとも思うけど…」
「自分でも色々調べたけど、依存性が心配」
もともと生活リズムの乱れもなく、食事はお忙しいご本人の為に奥様がしっかりサポートされていますので、日常生活の面では特に問題は無い様に思われました。
(定期薬に関しても特に変更はないし、不眠の副作用が心配される薬の処方もないし…。
睡眠の状況に影響があるとすれば、ご本人の真面目で几帳面な性格やお仕事の内容かな…。)
ご本人も眠剤の処方は希望されていない様なので、この時はとりあえず少し様子を見て頂く事にしました。
後日、ご来局された際、改めて睡眠に関して伺うと、やはり寝つきの悪さが継続しているとの事。
この時、ご本人から
「何か漢方薬を試してみたいんだけど…」とお話がありました。
患者様は、薬局に掲示してある私の「かかりつけ薬剤師のプロフィール」を見ていて、一度漢方薬の事を聞いてみようかな…と思っていたそうです。
普段からこの患者様と接している私は、『柴胡加竜骨牡蛎湯』を勧めました。
先にも述べた様に、この患者様はとても真面目で几帳面、なおかつバイタリティーにあふれた方です。
今回の不眠傾向のお話を聞いている中で、
「動悸が気になる」
「動悸があると不安になって色々考えてしまう。」
「仕事上のストレス」
「胸の辺りがざわざわする」
そんな言葉が出てきました。
また、お話ししている時も少し顔を赤らめる事がありました。
(邪熱をとって、心への影響を除ければ…)
(竜骨、牡蛎の重鎮安神作用を期待して…)
そう考えて、『柴胡加竜骨牡蛎湯』を勧めました。
<実際に飲み始めたら、またお話を聞かせてくださいね>
先日、ご来局された際
「この前から飲み始めたよ。もう少し継続してみようと思う」とお話しされていました。
今後の経過に関しては、ご本人だけではなく私自身もとても気になっているところです。
今回は、「かかりつけ薬剤師のプロフィール」が相談のきっかけになりました。
薬局の壁に貼ってある掲示物。
普段忘れてしまいそうになりますが、見ている方はしっかりと確認されているんだな…と
改めて気が引き締まる思いでした。
今日もお読みいただきありがとうございました。