ゴールデンウィークも終わり 6月4日が近づくと 虫歯予防デーのせいか

あちこちで地域の歯科医師会が行う歯科健康相談や学校・企業歯科健診が

行われます。


四谷歯科医師会でも 6月7日 土曜日 13時より16時まで

四谷区民センター 1階 にて

「第12回 歯の健康フェスティバル」 を開催いたします。

今その準備に行政担当である新宿区の担当課ならびに協賛会社との準備連絡に追われています。

昨年まで 新宿 高島屋の一角を借りて行っていたのですが

より地域に密着した形でということもあり 場所を区役所の四谷出張所に移しました。

皆様 歯科相談 歯科健診が主になりますが何かの折に是非足を延ばして下さい。

って感じで宣伝を一つ。



そしてこの時期に行われる学校での健康診断。

小学校 中学校は学校保健法という法律により

内科の健診と歯科健診は法律により義務づけられています。


ところで

学校歯科健診を行うと治療勧告書が保健室の担当教諭より発行されます。

実際歯科医院に訪れると 必ずしも全ての虫歯を治療するわけではないので

「あれ?」って不審に思われる保護者の方も多いのです。


まず 学校歯科健診は、むし歯などを精密に検査診断する検査の『検診』ではなく、『健診』です。

『健診』とは、現在の自分の健康状態を知りそれを維持管理できるようになってもらうための健康教育的な意味をもったもので、

精密な検査のための『検診』とは若干性質の異なります。

学校歯科健診はあくまでも一時的スクリーニングの意味が多いのです。


学校健診の目的は、児童生徒たちが正常な発育をしているか、

健康かどうかを検査して、

もし問題のある人が見つかったら早めに適切な対応をしてもらい健康管理していくためのものです。

さらに、健診を受けた人たちが自分自身の健康状態を知り、健康の大切さを理解して、

さらに健康になってもらう方法を自ら考えたり実践するという

『健康教育の一環』としても大切な役目もあります。

この様に歯科健診が第一次スクリーニング(大まかなふるい分け診査)でとどめて

詳しく検査しない理由は、学校で行う検査では器具や照明設備などが十分でないために、

詳しい診査や診断を行うことは難しいからなのです。

また一度に大勢の生徒さんを見ますので、とても詳細な検査までは難しいですし、

症状に関する詳しい説明などはとても無理なのです。


加えて現代の歯科治療は様々な変革が行われています。

昔は健診でよく用いられていた 針金の先を尖らした針みたいなもの(通称 探針)
を歯の噛む面にゴリゴリして



シーゼロ(C0) シーイチ (C1)とか言っていましたが

現在は探針は健診の場では用いなくなってきています。(場合によっては用いる場合もあります)

一つ理由をあげるとすれば、

探針の使用によって虫歯を広げる可能性があることが知られてきているからです。


また現在昔であればなんでも黒い着色がある歯は場所は削っていましたが

場所や程度によっては全てが削るという治療対象にならない場合もあります。

従来の考えとしては GV Blackが提唱したGeneral Principlesと呼ばれる

基本原則にのっとって虫歯の治療を行うのが主流でしたが

近年の歯科材料学の急速な発達 特に接着という分野により

MIという新しい考え方への変革が行われています。

これはMIという考え方 Minimal Interventionという考え方によるものです。

2002年に公式声明がFDIという国際歯科連盟から出されていて急速に発展していきました。

詳しくは別の機会に。


以上のような理由からも 健診担当医とかかりつけ歯科医師との若干の見解の相違が

生まれてきて それが保護者の不信に繋がることもあるわけです。

あくまでも健診の結果は大まかなものですので、かかりつけの歯医者さんの意見に従うべきでしょう。


蛇足ですが

四谷歯科医師会の地域の皆様への健康啓蒙普及活動として

幼稚園保育園児を対象とした『よい歯の園表彰式』、

新宿区委託事業・・・(『新宿区かかりつけ歯科医機能推進事業』、『歯周疾患健診事業』、『健康度評価事業』、

『特別養護老人ホームかしわ苑』歯科室担当医派遣、『休日歯科応急診療事業』)

新宿区各種協議会への委員派遣(『母子保健運営協議会』、『介護認定審査会』、『歯科医療協議会』等)、

大新宿区まつり歯科医師会無料歯科相談(3歯科医師会合同)等々があります。


最近歯科医師会の用事で皆様にご迷惑をおかけすることが多くなってきましたが

現在上記関係を総括する 公衆衛生担当理事になってしまった関係なのです。