コンピュータの専門学校を卒業した僕は、当たり前のようにコンピュータ関係の仕事に就きました。
専門学校の講師が僕に薦めてくれた会社に就職しました。
そこは、それまでコンピュータ関係の仕事をしていなかったのですが、社長の息子がコンピュータのソフトウェアとハードウェアを開発する事業を新しく始めるという段階になる会社でした。
学校の講師は、その社長の息子が「出来る人間」という風に思えたようです。
そう思ったから僕に薦めてくれたのですが、実際には「出来る人間」ではなく「口先だけの人間」だったのです。
事業は上手くはいきませんでした。

同僚がひとり、またひとりと退社していきました。
酷い状態で仕事をしていた人から辞めていったという感じでした。
僕はまだ良い方でした。
酷い目にあった人は、常識ではありえない納期の仕事をさせられ、毎日、徹夜が続くような状態だったようです。
ある人にいたっては「通勤中にクルマで事故を起こして入院すれば楽になるかも・・・」と思うこともあったようです。
今でいうところの「ブラック企業」です。
それでも、残った者でなんとか仕事を続け、少しずつ業績を上げていきました。
やっと黒字になるかと思われたときに、バブルが崩壊してしまいました。
勤めていた会社の本業としている仕事が少なくなり、リストラが始まります。
これによって僕がいたソフトウェア開発の部署は解散することになってしまったのです。
今になって思うのは、経営者は駄目でしたが、技術者は優秀だったということです。
あのメンバーだったら何か出来るような気がしていました。
とても残念な気持ちで辞めたことは、一生忘れることができないでしょう。
この会社を辞めた僕は、自宅近くにソフトウェア技術者を募集している会社を見つけ、その会社に再就職することにしました。
 

新・失敗の本質 「失われた30年」の教訓/山岡鉄秀【1000円以上送料無料】