公開されるまでノーチェックだったのだが
カミさんが神木隆之介くんのファンなので
「どうしても観たい」と言うもんだから
「ゴジラ -1.0」
を観に行くことに。
ネットで色々確認すると猛烈に評判がいい。
で、観てみると実際評判通りの面白さだった。
ゴジラは単に怪獣と言うだけではなく
むしろ戦争における人間の狂気による殺戮や
到底人間には抗えない自然災害などの象徴として描かれていて
圧倒的絶望と絶対的恐怖の具現化なのだ。
ハリウッドが大金をぶっこんで作った
ただの怪獣が暴れるだけの似非ゴジラ映画とは
明らかに一線を画していた。
そして何より
神木くん演じる主人公の敷島浩一を軸とした人間ドラマがしっかりしていた。
今さらネタバレもないだろうと思うので
内容に触れつつ書いちゃうけど、
敷島にとってゴジラは大東亜戦争そのもの。
特攻から逃げて生き残った敷島が
日本を救うためにゴジラを倒そうと言うその行為は
終戦で置き去りになった自身の後悔を晴らし
償いを遂げるために他ならない。
絶対的恐怖のゴジラに対し
この縦軸があるから
この映画は単に怪獣映画ではなく
映画として素晴らしいものになっているのだ。
特に安藤サクラさん演じる太田澄子がいい味出していて、
敷島と澄子の関係がストーリーに奥行きを作り出している。
それは神木くんと安藤さんの演技が素晴らしいからに他ならない。
最優秀助演女優賞は安藤さんで決まりじゃね?
もちろん他の俳優さんもみんな素晴らしい。
主要キャスト7人に誰一人下手な人がいなかった。
©TOHO
映画が終わってスクリーンを出る途中、
70代の老夫婦が興奮気味に感想を語り合っていた。
僕も久しぶりに映画を観て高揚感を覚えた。
本当に見応えがある映画だった。
日本映画は素晴らしい。でもね、
Peppermint Film Workers since 1984
も素晴らしいんだから。