彼のメールはいつもの彼ではないくらい、冷たい内容だった。


”ルーは珍しく、自分の仕事のことや、プライベートのことも理解してくれる女性だととても感心してた。けれど、それは俺の買いかぶりだったね。これからは、今までのように仕事もすぐには終わらなくなる。最近まで自粛ムードが漂っていたけど、これからは頻繁に接待が増えるんだ。昨日の人との仕事が始まるから。

こんな感じだから、今までのように何もかもをルーに話したりするのはもうしない。

そしてできない約束はしないから、次いつ会うかは、こちらから連絡するよ。ルーがまたヒステリー起こすより、そっちのほうがいい。少し考えさせてくれ”


彼のメールができなかった事情がはじめてわかった。たまたま、彼が暇な時期に私が一緒に居て、彼の本来の忙しさを知らなかったし、いつも無理しながら私にメールを送ってくれてたこともわかった。

私は恥ずかしかった。もちろん、彼の都合だし、私の立場になって考えてくれてもいいじゃないとも思うけど、彼の言ってることはよくわかる。

ちゃんと、伝えようと私もメールした。


”ごめん。私は知らなかったの。言い訳かも知れないけど、今までSが連絡くれないことなかったし、1時過ぎても飲みにいくことがあることも知らなかったの。だから、ホントに接待なのかもわからなくて、悲しくて。

けれど、わかったよ。ちゃんと話してくれれば、わかる。それに初めてのことだし、もう一度チャンス頂戴。Sの仕事のことも私になりに理解してるつもりよ。けれど、わからないこともある。そのせいでぶつかるのは、仕方のないことじゃない?だから、許して”と。


S”もうわからない。ルーを信じてたから、違うって。言ってることはわかるけど、気持ちがついていくかは、今後わからない。しばらく距離をおこう。”


何が起きたのか?私は、噛み砕くように一つ一つ事実をメールした。

なぜ私が怒ったのか、そして今後は、どうしたいいのか、Sの仕事のことは、理解できる。今まで、聞いてなかったのだから、聞けばわかる。と。


Sは、許してくれた。けれど「今まで俺はルーと恋愛に浮かれてた。でも目が覚めたよ。これが俺の本性。

優しくもないし、身勝手なんだ」と言われた。



私に気遣うような態度はこの日を境になくなった。釣った魚に餌をやらないと言うか、白馬の王子様は、俺様殿様のSになった。これが本性なんだと。

そうはいっても、いつも一緒にいたし、彼のメールの文面や態度が俺様になった以外の変化はないように見えた。